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旅先で愛犬を“迷子”にしないためにはどうすればいい?|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.140
今回は犬を“迷子”にしないためのお話。犬を連れて遠出をする場合、万が一はぐれてしまったらどうなるか、考えたことはありますか? そうならないために、事前に必ずしておきたいことを西川先生が解説します(編集部)。
新型コロナに関してはまだまだ収束には至っていないわけですが、それでもこの夏はちょっとした旅をと計画している人は、少なからずいることでしょう。ダップの状態がよければ私も近いうちに小旅行でもと考えている次第です。
さて、犬といっしょの旅行をよく楽しんでいた頃、「ここでもし犬とはぐれてしまったら……」と、そんな不安がふとよぎることがありました。
犬には帰巣本能があるなどとよく耳にしますが、安心材料にはまったくならない。
そもそもアレは真実なのか。
珍しいからニュースになる
ほとんどの犬は、そうはいきません。
例えば、かつてヨーロッパではバカンス時期になると捨て犬が増えるといわれていました。バカンスに行く途中に道路の中央分離帯に犬を置き去りにして行ってしまうのです。
犬に帰巣本能が備わっていれば、主人のいない家に帰っているはずです。家に帰ってしまうのであれば、飼い主は特定できるわけで、置き去りにする意味がありません。
なじみのある範囲なら戻ってくるかもですが
かつての私のパートナー・ドッグ「プー」は、家を建て替える際に近所の家に仮住まいしていたとき、その仮住まいの家から古い家を取壊し更地になっていた土地に戻っていたことがあります(プーがすり抜けられる隙間が庭にあったことに気がつかなかった私の責任……この件を詳しく知りたい方は、拙書『いぬのプーに教わったこと』をぜひご一読ください)。
でも、旅先から戻ってくるのは、ほぼ奇跡に近いのではないでしょうか?
仮に帰巣本能があったとしても、はたして家まで無事に辿り着けるか?
一番怖いのは、車にひかれてしまうことです。
車にひかれる前に、保護されることを祈るしかありません。
幸い運良く保護されれば、マイクロチップが埋め込まれていたり、鑑札が装着されていれば、飼い主のところに保護の連絡は来るはずです。
“迷子”にしないために
すなわち最も重要なのは、“迷子”にさせないことです。
まずは首輪が抜けないよう適切なフィッティングを施す。リードは必ずつける。
リードと首輪などをジョイントする金具をナスカンといいますが、そのナスカンが時として壊れていることがあります。あるいはリードや首輪を犬が噛んで切れかかっていることを知らずにいて、犬が突進した際にナスカンが壊れる、リードが切れることがあります。
特に遠出をする前には、そうした道具の点検を怠らないことです。
トレーニングも重要です。
確実な「オイデ」を、しっかりと教えておくことです。
え? 呼んでも来ない?え? 近くまでは来るが手を近づけると逃げていく?
う〜ん、では遠出をする前に、近くのしつけ教室で確実なオイデの教え方を学ぶことですね。
まずは「遠くの旅行よりも、近くのしつけ教室」。まぁそういったところですか。
西川文二氏 プロフィール
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