冬の山小屋ライフ〜その後
あけましておめでとうございます。今年も1年、よろしくお願いいたしますね。
そういえば、一昨年2017年に『
どうする?冬の山小屋ライフ』を書いて、最初の冬が過ぎたわけだが、どうだったのかそのあたりの話をしておこう。まず、寒冷地仕様のストーブを設置したが、これは大正解だった。
外にある灯油タンクから自動で補充されるため、手間がかからない。換気口もあるので、ほぼ換気する必要がない。エアコンのように設定温度になれば止まり、低くなれば自動で運転を再開するので、付けたり消したりしなくていい。何より、非常にパワフルで急速に部屋を暖めてくれる。
おそらく、石油ファンヒーターや一般的な石油ストーブだったら、こうはならなかっただろう。標高1500メートルになると、マイナス10度など普通によくあることなので、寒冷地仕様のストーブでないとパワーが足りない。設置費用も含めて30万円ほどかかったが、このストーブのおかげで冬も山の家に来られるようになった。
寒さの厳しいところでは常識なのかもしれないが、業者さんに教えてもらうまでそんな強力なストーブがあることすら全然知らなかった。薪ストーブも雰囲気が雰囲気はいいが、暖まるまで多少時間がかかるし、それは将来建て替えたときに導入したい(今のストーブも移動可能)と思っている。
とはいえ、他にも色々寒さ対策をした。まず、古い家のため、あちこちに隙間があり、そこから冷気がどんどん忍び込んでいる。そのため、いくらストーブが強力でも、すぐに温度が下がってしまう。また、底冷えもすごい。
だから、隙間を埋めるスポンジテープを大量に買ってきて、ドアや窓の隅、襖まで隙間という隙間を全部塞いだ。さらに、窓のガラス面にはプチプチマットを貼り、断熱材代わりにした。さらに底冷え対策にホットカーペットも導入したが、熱が下に逃げないよう床との間にアウトドアで使うようなウレタンの両面にアルミコーティングされているマットを敷いている(こたつも同様)。
夜寝るときも、電気毛布を活用している。これらは、一気にやったのではなく、「まだ寒い、なぜだ」と冷気が忍び込んでくる場所を探し、それを塞いだり、対策をとった結果だ。これでどうにか築40年の山小屋でも冬を越せるようになった。大吉と福助は行く度にものすごく嬉しそうにしている。もし今後、山に家が欲しいと思っている人は参考にしてくださいね。
プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から
「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。
ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雪と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。
福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。