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シニア犬ならではの「可愛い行動」や「心配事」を調査! 愛犬の老いとの向き合い方を獣医師が解説
シニア犬ならではの「可愛いしぐさ」は?
まず、「愛犬がシニアになって感じる『シニア犬の可愛いところ』」について聞いてみると、次のような回答が寄せられました。
甘えるようになった
- 「散歩中に疲れてくると、前に回り込んできて、見上げてくる。抱っこしてのサイン」
- 「ツンデレだったコが、年をとってデレデレになった」
- 「目が見えなくなったからなのか、『ココ何かあって進めないんですけどー?!』みたいなお願いの顔が、BABYの時のようにあどけなくてかわいいです。ツンデレからツンが少し減って、頼ってくれるようになったのもシニアになったからなのかな?と思います」
動きや歩き方が可愛い
- 「走り回る時とヨタヨタ歩く時の差」
- 「足取りがよろけても懸命に側に来てくれるところ」
- 「動きがのんびりしているところ。起き上がる時とか、よいしょってなる感じが可愛い」
- 「動きがゆっくりになって、側で見ているとスローモーションのようで、なぜかほっとする」
老化を実感するけど愛らしい姿も
- 「寝る時間が増えましたが、その仕草が愛おしいです」
- 「顔まわりが白くなってきて、表情が幼く見えるところ」
シニア犬のことで「気になること」はある?
ゴハンに関する心配事
- 「もともと少食なところがありますが、食にむらがあり、食べないことがある」
- 「シニアになってから、食の嗜好が変わった」
愛犬の寿命や健康・病気に関する心配事
- 「いかに健康寿命を延ばせるか」
- 「体力の衰えからの病気や怪我、認知症になったらのこれからの対応、対処についてはよく考えています」
- 「耳が遠い。痩せてきた。運動量が減った。ゴハンの量が少なくなった。動作が鈍くなった。目が白くなった」
- 「体重が落ちてきたこと。よろめくようになったこと」
- 「排泄や歩行の困難さ」
- 「目がどこまで見えてるか、だんだん見えなくなってきてるのが心配」
【獣医師解説】愛犬の「老い」との向き合い方について
シニア期の犬の変化は個体差がある
「犬のシニアの時期に見られる変化としては…
- 散歩に行きたがらないようになる
- 動きがゆっくりではあるが、動きたい気持ちが強いコもいる
- 思うように動けないことで、少し苛立つようなしぐさや、大きな鳴き声を上げるコもいる
- 運動不足による食欲不振や便秘などで、トイレにかかる時間も長くなる
- いろいろなことが思うようにいかなくなるので、わがままになったり、甘えるようになるコもいる
- ひとりになりたがったり、飼い主さんから少し離れるコもいる
ただ共通していることは、飼い主さんへの依存心が芽生え、愛犬にとって飼い主さんが今まで以上になくてはならない存在になっていることでしょう。
そういった理由から、今までの様子とは明らかに違うような行動が見られるようになります」
愛犬の老いとの向き合い方について
「実際に愛犬が老いていくことを見ているのが、つらいと感じる飼い主さんもいるかもしれませんが、愛犬のほうが先に年をとることは避けられません。
老いを嘆いて、できなくなってしまったことばかりにフォーカスするのではなく、今できていることに目を向けましょう。
また、老いを受け入れて、残された日々をどうやって過ごすのか、最期のときはどのようにやってくるのかを想像して、頭の中でシミュレーションしておくとよいでしょう」
愛犬の老いを受け入れ、気持ちの整理をつけておくことの大切さ
「そうですね。愛犬が生きている間に老いを悲しむのではなく、いかに老いた愛犬と楽しく過ごして最期を迎えるか、きちんと気持ちの準備をしておくことが大切です。
気持ちの整理ができている飼い主さんたちは、大きなペットロスに陥ることなく、グリーフを受け入れることができるようです。
また、シニアで病気を抱えている場合には、『どれだけ一生懸命病気に寄り添ったか』『看病してあげたか』などによって、飼い主さんもやり切ったというような充実した感情が芽生えています。
最期のときはもちろん大きなグリーフですが、しっかりと愛犬と向き合うことで、飼い主さんの健康を害するような重度のペットロスは避けられているように思います。
気持ちの整理がつくことで、どんな出来事も受け入れる準備ができている、というような感じでしょう」
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※一部の写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/柴田おまめ
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