犬のマウンティングは、飼い主さんが頭を悩ませる行動のひとつかもしれません。適切に対処するためにも、まずマウンティングの基本的なポイントをおさえておきましょう。今回は、犬のマウンティングについての基礎知識や、対処法を解説します。
マウンティングの目的は?
犬がほかの犬の上に乗るポーズ、いわゆるマウンティングをするのには、子孫を残すための性行動だけでなく、以下のような理由があります。
- 自分のほうが上だというアピール
- 飼い主さんの気をひきたい
- 運動不足解消やストレス発散
- 遊びや暇つぶし
人と違って、犬のマウンティングにはさまざまな目的があるのです。
クッションや人の足にもする
遊びや暇つぶしでクッションやぬいぐるみ相手にマウンティングしてみたら、楽しくてクセになってしまうことがあります。また、人の足にしたら、嫌がっているのを「反応してくれた」と学習し、かまってほしくて繰り返すようになる場合もあるようです。
決まったときにするのは意味がある
マウンティングを、食後や散歩後など決まったタイミングで始める犬もいます。これは、今なら許してもらえるとわかっているタイミングや、毎日のルーティンワークのようになっているからかも。個体差があるため、不安なときにするという可能性もゼロではないでしょう。
去勢していてもすることがある
犬同士のコミュニケーションが目的であれば、去勢手術の有無は関係なく行います。オス同士でもメス同士でもしますし、先住犬が新たに加わった犬に対して、優位性を示すためにすることもあるようです。
メスがオスに対してすることも
先述したように、マウンティングは自分のほうが上だとアピールするために行うこともあるため、そこに性差はありません。メスがオスにマウンティングすることもあるでしょう。
マウンティングはさせないほうがいい
マウンティングは、すればするほど犬の「したい欲求」が強くなり、いつまでも続けてしまったり、しないとストレスになったりしかねないもの。また、足腰に負担がかかる姿勢のため、ケガや病気の原因になるおそれもあります。 愛犬のためにも、マウンティングはさせないほうがいいでしょう。
やめさせ方は?
犬にする場合は、相手の犬に背を向ける位置で「オスワリ→マッテ」をします。相手が離れるまで犬が飼い主さんに注目しつづけるようにして、相手の犬に視線を向けさせないようにしましょう。
人や物にする場合は、大きなリアクションをせず、犬と目を合わせずに無言で引き離してください。しつこくマウンティングするぬいぐるみやクッションは、しまいこむとよいでしょう。
マウンティングをするかどうかは、犬の育った環境などにも左右されるため、なかにはしない犬もいます。
愛犬の様子で気になる点は獣医師に相談してみてもよいでしょう。
参考/「いぬのきもち」2020年2月号『みんななんとなく気になっている性のこと……全部教えます! イヌの性学』(監修:「石田ようこ犬と猫の歯科クリニック」院長 獣医師 石田陽子先生)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。