足や爪のお手入れは、愛犬の健康のためにも欠かせません。しかし、なかには勘違いをしてお手入れしてしまっていることも。
そこで今回は、犬の足・爪のお手入れの「勘違いしやすいポイント」を獣医師の石田陽子先生に聞きました。まずは、正しいお手入れを行うために知っておきたい、犬の足や爪の構造について見ていきましょう。
犬の足や爪の構造
犬の足の構造
犬の足先には、先端の末節骨、中節骨、基節骨からなる趾骨(しこつ)があります。犬はこのなかから、足の指の骨である末節骨だけを地面について、常につま先立ちのような状態で歩いているため、ダメージは足先に集中しやすい傾向に。
なお、肉球は地面からの衝撃を受け止める役割を果たしています。夏は地面が熱く、肉球がダメージを受けやすい状態になっているので注意が必要です。夏の終わりごろになると、肉球にひびが入る犬もいるので、必ず確認しましょう。保湿クリームを塗っておくと安心です。
犬の爪の構造
犬の爪の中の真皮には血管や神経が通っています。そのため、深爪してしまうと出血するおそれがあるので注意しましょう。
犬の足や爪のお手入れの「勘違いポイント」
ではここからは、犬の足や爪のお手入れの「勘違いポイント」を見ていきましょう。
足を拭くときに関節の向きを無視して持ち上げる
ひざや足先の関節が曲がる向きを気にせずに、飼い主さんがお手入れをしやすい角度で足を持ち上げると、脱臼や骨折をさせてしまうことがあります。また、股を後ろから開かせすぎるのも、股関節に痛みを与えるのでやめましょう。
人の爪を切るような感覚で爪切りをする
先述したように、犬は真皮には血管と神経が通っています。そのため、人の爪のような感覚で切ってしまうと、深爪をして出血させてしまうおそれが。とくに黒い爪の犬の場合は、どこまで血管や神経が通っているのかがわかりづらいので、慎重に爪切りを行う必要があるでしょう。
犬の足や爪のお手入れの正しいやり方
足拭きをするときは、上の写真のように片手でかかとの下あたりをやさしく持ち上げ、ぬれたタオルを肉球に押し当てて、汚れを拭き取ってあげましょう。
一方、爪切りは誤って痛みを与えてしまうとお手入れ自体を嫌がる犬になってしまうため、トリマーなどのプロの手に任せたほうが安心です。
犬の体の構造を理解し正しくお手入れしよう
犬にとって足や爪は、健康を守るための要のひとつです。犬の体の構造をしっかりと理解し、犬にとってよりよい方法でお手入れをしてあげたいですね。
参考・写真/「いぬのきもち」2021年9月号『カンチガイばかりのお手入れは病気の原因に! 体のしくみを見てわかるお手入れ』(監修:獣医師 「石田ようこ犬と猫の歯科クリニック」 院長 石田陽子先生)
文/kagio
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。