日々愛犬と接するなかで、体の変化に気がつくと「これって大丈夫なのかな?」「もしかして病気?」と心配になることもありますよね。
こで今回は、愛犬の皮膚や被毛の症状について、正常か要注意なのか見分けるポイントを解説します。獣医師の石田陽子先生にお話を伺いました。
おなかの黒ずみが増えた気がする
おなかなどに見られる斑点や黒ずみの正体は、色素沈着であることが多いです。生まれつきの場合もあれば、加齢に伴って広がる場合も。人と同じように、老化によってシミができることもあります。
皮膚の凹凸やできものなどがないなら、しばらくは様子を見てもいいでしょう。それでも気になるようなら、一度獣医師に相談しておくと安心です。
背中にイボがある
イボの多くはパピローマウイルスによるものです。免疫力のついていない子犬や、免疫力が低下しているシニア犬などは、良性のイボができやすい傾向に。
ただし、イボが良性のものか、がんなどの悪性のものかを自己判断するのは絶対にNGです。信頼できる獣医師に必ず診てもらいましょう。
肉球がガサガサに乾燥している
空気が乾燥する季節は、犬の肉球も乾燥しがち。さらにシニア犬になると、代謝や水分量が低下してカサカサになりやすいです。ワセリンや肉球クリームなどで、適度な保湿を心がけてあげましょう。
ほかにも、散歩後などに足を洗いすぎると、必要な脂分まで奪ってしまうこともよくあるため、気をつけてくださいね。
白いフケがボロボロ出てくる
フケとは、古い皮膚が新陳代謝によってはがれ落ちたものです。正常な犬の皮膚からフケが出ることはありません。毛をかき分けてチェックをし、日常的に出ているようなら、アトピー性皮膚炎や皮膚が乾燥する乾性脂漏症(かんせいしろうしょう)、かゆみを伴う膿皮症(のうひしょう)などの皮膚疾患の疑いも。
動物病院に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
最近毛づやが悪くなった
加齢によるものや、ブラッシング、シャンプーなどのお手入れの不足、たんぱく質や脂肪酸、ビタミンなどの摂取不足など、さまざまな要因で毛づやが悪くなることがあります。
脱毛が見られる場合や、薄毛になったと感じるときは、クッシング症候群や甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)などが原因のこともあるため、注意が必要です。
体の不調を言葉で伝えられない犬にとって、飼い主さんが体の変化に気がついてくれるかどうかは、健康を維持するためにも重要なことです。愛犬のいつもの状態をよく把握しておき、いざというときにはいち早く対処してあげたいですね。
お話を伺った先生/「石田ようこ 犬と猫の歯科クリニック」院長 石田陽子先生
参考/「いぬのきもち」2021年5月号『涙やけ、耳アカ、鼻の乾燥……気になる症状を解説! 教えて先生! これって病気?』
文/kagio
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。