犬と暮らす
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犬が震える、ヨダレが多い、食フンする……それはストレスが原因の「病気」かも!?
犬も人と同じように、日常で起こるさまざまなことにストレスを感じており、継続的にストレスがかかると心身に異常をきたすようになることがあるのです。
獣医師の菊池亜都子先生に、犬によく見られるストレスサイン(症状やしぐさ)のなかでも、「心の病」が疑われるストレスサインについてお話を伺いました。
犬の「心の病」は、飼い主さんが愛犬の異変に気づくことができず放っておいてしまうと、症状がエスカレートして、重くなると薬での治療が必要になってくることもあります。
異常なほどに、まわりを警戒しおびえる行動
これは恐怖の対象がないのに、常におびえてしまう病気です。
下記のような警戒するしぐさ・行動や、嘔吐が頻繁に見られるようだと注意が必要です。
・震え続ける
・日常生活で常にびくびくしている
・ソワソワして歩き回る
この病気は、体罰を経験した犬や社会化不足の犬が発症しやすく、シニア犬では認知機能の低下がきっかけになることがあります。
その場から急いで逃げようとする行動
・その場から急いで逃げようとする
・ヨダレが大量に出る
・そそうをする
・破壊行動を起こす
・悲鳴のように鳴く
犬が特定の対象に恐怖心をいだくことは、怖がりな性格の犬などによくあることですが、過剰に反応しているようなら「恐怖症」という病気を疑った方がいいでしょう。
ウンチやタオルを口にする
「異嗜」にかかっている犬は、下記のような行動が見られます。
・自分のウンチに執着して食べようとする
・タオル、石、土、トイレシーツなど、身のまわりにあるものをむやみに食べようとする
食事量が少ない、運動不足になっている、退屈に感じる時間が長いなどのストレスや、多頭飼育や体罰などがきっかけで発症することが多いです。
ほかにも、こんな行動・症状に気をつけよう
今まで紹介したサイン以外にも、下記のような行動・症状が見られたら気を付けましょう。
・食事をまったくとらない
・同じところをぐるぐる回る
・皮膚をなめ壊す
・脱毛する
・不適切な場所で排泄する
・血便・血尿が出る。
犬は「自分がストレスを感じている」ということをことばで伝えられないので、飼い主さんがいち早く気づいて、対応するようにしたいですね。記事を読んで、「もしかして…」と感じたら、「行動治療」を行っている動物病院に相談しましょう。
お話を伺った先生/獣医行動診療科認定医 菊池亜都子先生
参考/「いぬのきもち」2021年10月号『犬のストレス』
イラスト/naohiga
文/ichi
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