「ふと気付くと、愛犬がお気に入りのおもちゃを一カ所に集めていた……」という経験はありませんか? このとき犬はどういう心理なのでしょう。
今回は獣医師・獣医学博士の増田宏司先生のお話から、犬が大切なものをコレクションする心理についてご紹介します。
大切なものを自分の場所に置いておこうとするのは、狩り時代の本能
増田先生によれば、犬がお気に入りのおもちゃなどを身のまわりに集めるのは、かつて狩りをしていたときの野生の本能によるものなのだそう。「とらえた獲物を集めて、そばに置いておきたい」「あとでゆっくり楽しみたい」という気持ちから、お気に入りのものを収集すると考えられています。
また、なかには物を集めること自体を遊びのひとつとして行う犬もいるそうです。
獲物がとれなかったときに備えて、おやつを埋めることも
お気に入りのものを集めるだけでなく、食べきれなかったおやつなどを、掘った土の中に埋めて隠すこともあります。これもかつて狩りをしていたときの名残で、狩りで獲物がとれなかった場合に備えるためなのだとか。
飼い主さんの使用済み靴下も、大事なコレクションに!?
人が着用したあとの靴下など、強くニオイが残っているものを集める犬もいます。布にしみこんだ汗や皮脂などのニオイは、人にとっては避けたいものでも、犬にとっては気になる香りなのです。
また、飼い主さんの気をひくために集めるというケースもあるようです。
愛犬が物を集めたときは「ちょうだい」に挑戦するチャンス
愛犬が物を集めたときは、「ちょうだい」と言えば渡してもらえるよう、普段から練習しておくとよいでしょう。愛犬がせっせと集めた大切な宝物であっても、飼い主さんの指示であれば渡してくれる関係性が理想的です。
ただし、物を集めて隠すのは犬の本能によるもの。ある程度は大目に見て許してあげましょう。
人のように好きなものを収集したり、犬なりの“非常食”を用意したりするなんて、やっぱり犬は賢いですね!
これから洗濯しようとしていたものをどこかに隠されてしまうのは困りものですが……(笑)コレクションを楽しむ姿を見守りつつ、時には「ちょうだい」も遊びのように練習しながら、うまく付き合っていけるといいですね。
参考/「いぬのきもち」2017年9月号『犬のオモシロ習性図鑑 VOL.04 コレクションしちゃう♪』(監修:獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部バイオセラピー学科(伴侶動物学研究室)教授 増田宏司先生)
文/Ru-Rie
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。