年齢を重ねると「いままでできていたことができなくなる」ということがありますよね。それは犬も同じです。
一見老化とは関係なく見える些細な行動の変化も、老いてきたサインのひとつかもしれません。シニア犬になると変化する行動について、“〇〇しなくなった”をキーワードに、獣医師の重田洋一先生に解説していただきました。
変化1:トイレでオシッコできなくなった
トイレの失敗は、子犬であればまだ完璧にトイレを覚えていないだけかもしれませんが、動きが鈍くなってきたシニア犬の場合はトイレまで間に合わないこともあります。
もし水を飲む量が急に増え、オシッコの回数や量が増えたなら、腎臓疾患やホルモン異常の可能性が考えられます。
変化2:お出迎えをしなくなった
シニア犬になり、動くことがおっくうになると、いつもしていた飼い主さんのお出迎えをしなくなることも。
また、加齢により五感が鈍くなったことで飼い主さんの帰宅の気配を感じにくくなっていることも考えられます。老化を加速させないために、ふだんからやさしく声をかけて、愛犬の反応の仕方に変化がないか確認しましょう。
変化3:指示しつけに応えなくなった
以前、その指示しつけを行ったときに嫌な思いをしたことがトラウマになっている、極度の緊張状態のために、指示しつけに応えられないというケースがあります。また、名前を呼んでも飼い主さんのほうを向かない場合は、聴力が低下しているのかもしれません。このほか、認知症の一症状として、これまで習慣としてできていたことができなくなることもあります。
気になる変化があれば獣医師に相談を
「ふだんから愛犬をよく観察しましょう。急に始めるようになったことや、ほかの犬はしないのに愛犬はするなど、少しでも気になることがあれば、小さなことと思わずにかかりつけ医に相談を。病気の早期発見につながる場合もあります」(重田先生)。
「シニア犬だから」と思い込んでいた行動にも、じつは病気が潜んでいることもあります。気になることがあればかかりつけの獣医師に相談しながら、愛犬が楽しいシニアライフを送れるよう見守っていきましょう。
お話を伺った先生/重田洋一先生(「ドン・ペット・クリニック」院長 獣医師)
参考/「いぬのきもち」2018年5月号『かわいいと思っていた愛犬のしぐさ…じつは病気のことも! そのしぐさはクセ? それとも病気?』
文/Ru-Rie
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。