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犬の3大死因「がん」のひとつ 「メラノーマ」に愛犬がかかったら?

犬の3大死因といわれているがん。悪性黒色腫とも呼ばれる「メラノーマ」はがんの一種で、発生した部位によっては、ほかの臓器に転移しやすいといった悪性度が高いこともある病気です。犬では、口、皮膚、目に発生しやすいとされ、最初はしこりができることで発見される場合が多いです。
今回、獣医師の堀川歴央先生に解説していただきました。
撮影/殿村忠博
「メラノーマ」の原因は不明ですが、口のメラノーマは、ミニチュア・ダックスフンドやビーグルなど、目のメラノーマは、ラブラドール・レトリーバーやウェルシュ・コーギー・ペンブロークなど、皮膚のメラノーマは、ミニチュア・シュナウザー、ゴールデン・レトリーバーなどと、部位によってかかりやすい犬種の傾向があります。そのため、遺伝的な要因では、と考えられています。

メラノーマの診断や治療ってどうするの?

メラノーマかどうかを診断するには、体にできたしこりの中の腫瘍細胞を確認する細胞診、腫瘍の存在部位や転移をチェックする画像診断、腫瘍の確定診断や悪性度を判定する病理組織検査などで総合的にみていきます。

メラノーマとわかれば、おもに外科手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つの治療法から、病状に合わせて選択します。
切除ができる部位なら、手術が効果的。手術ができなくても、放射線治療でがんの増殖を抑えられるケースもあります。ただ、治療後に再発や転移することも多いので、術後に抗がん剤治療を併用するのが一般的です。

口にメラノーマが! 放射線治療をしたケース

治療前。左の上あごにしこりがあります
治療後。しこりは鼻の中に一部残る程度に。脱毛は放射線治療の影響
上の写真は、左のあごにしこりが見つかったケース。手術を希望して大学病院を受診しましたが、鼻の中までがんが広がり手術が難しく、放射線治療を選択しました。
週に1回の放射線治療を4回行いましたが、治療開始から5カ月たった現在での、再発や転移は見られていないそうです。
このように、メラノーマが出た部位や進行具合などに合わせた治療を行います。
メラノーマで命を落とさないためには、早期発見・早期治療が肝心です。飼い主さん自身で愛犬のデンタルケアを行って、口の中に異変がないかを確認したり、ふだんから愛犬の体に触れ、小さな変化に気づけるようにするといいでしょう。

お話を伺った先生/レオどうぶつ病院院長 堀川歴央先生
参考/いぬのきもち2020年8月号「犬の現代病ファイル」
写真提供/レオどうぶつ病院
文/melanie
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