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犬のウンチから感染する恐れのある「人獣共通感染症」とは? 感染の原因と対策を解説

人と動物の両方が感染する恐れのある病気があるのを知っていますか? 今回は、犬のウンチから人にうつる可能性のある感染症について、いぬのきもち獣医師相談室の山口みき先生が解説します。

犬のウンチから感染する恐れのある「人獣共通感染症」とは?

見上げる犬
getty
人と動物の両方に感染する病気の総称を「人獣共通感染症」といいます。犬が関わる人獣共通感染症はさまざまありますが、今回は犬のウンチを介して人に感染する恐れのある病気として知られている「寄生虫(犬回虫)」について紹介します。

犬のウンチに含まれる寄生虫の卵を口に入れてしまうと、犬は(特に子犬)食欲不振、下痢、嘔吐などを起こします。人ではまれに寄生虫の幼虫が肝臓や脳、目などに移行して、障害を起こすことがあります。

犬と人が寄生虫(犬回虫)に感染しやすい条件もある?

飼い主さんと犬
getty
寄生虫(犬回虫)は、下記のような場合に犬への感染リスクが上がると考えられます。

  • ほかの犬のウンチの食糞
  • 汚染された環境での飼育
  • さまざまな犬との接触
  • 生肉の摂取
  • 定期駆虫を行わないこと
また、人への感染に関しては、下記のようなことが原因となり感染リスクを高める可能性があります。

  • 犬のトイレ掃除をこまめにしていないこと
  • 犬のトイレ掃除を素手で行うこと
  • 犬の排泄物を扱った後に手を洗わないこと

人が寄生虫(犬回虫)に感染しないようにするためには?

飼い主さんと犬
getty
人が寄生虫(犬回虫)に感染しないようにするためには、まずは上記で述べたことに対する対応を行うことが、予防につながります。

そのほかの対策としては、病気に感染した動物や、病気の動物が排泄したウンチには直接触れないようにしましょう。ウンチを処分する場合は飛び散らないように注意して、換気を十分に行い、処分後は十分に手を洗ってください。できれば、定期的にトイレを熱湯消毒するとより安心です。

また、人獣共通感染症を予防するためにも、普段から愛犬の身の回りは清潔にし、犬に触れた後は必ず手を洗うようにしましょう。

散歩で愛犬がウンチをしたら、飼い主さんが必ず拾うように徹底しよう

散歩する犬
getty
そのほかにも、愛犬を散歩に連れて行ったときにはウンチの始末は必ず飼い主さんが行うこと、散歩中に愛犬にウンチをさせる場合は必ず拾える場所でさせること、もしくは自宅のトイレでウンチをさせてから散歩に行くようにしつけをする、というのもよいでしょう。

散歩中にした愛犬のウンチを拾うことは、飼い主の責務です。愛犬のウンチを放置することは街を汚し、感染症リスクを高める可能性があることを認識して、周囲にも迷惑をかけない飼い主の対応を心がけましょう。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・山口みき先生)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/柴田おまめ
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