犬がふだん見せる何気ないしぐさ。ただの生理現象だと思っていたらストレスサインだった、というケースも少なくありません。今回は、犬がストレスを感じたときに見せる意外なしぐさについて、家庭犬しつけインストラクターの西川文二先生に聞きました。
床のニオイをかぐ
犬はほかの犬のことやまわりの状況を知りたいときなどは、視角よりもニオイで情報収集を行います。愛犬がニオイをかぎ始めたら、ニオイをかいでいい場所を決めてから、思う存分ニオイをかがせてあげましょう。
嫌なことから気をそらしている場合も
苦手な犬からの関心をそらしたい、飼い主さんとのトレーニングに飽きてしまったなど、嫌なことから気をそらしたいときや、感じたストレスを紛らわせたいときなどにも、犬は床のニオイをかぐことがあります。また、「ニオイをかぐのが大事だから、そっちに集中していないよ」という気持ちを表わしている場合も。
体をかく
犬が足を使って体をかくのは、体に小さなホコリや虫などの異物がついたときや、かゆみの症状が出たときなど、体の違和感を取り除こうとしているときです。ただし、頻繁に体をかく場合は、なにか病気が起きているおそれがあります。
「嫌だな」という気持ちを落ち着かせたい
犬はストレスを感じるとヒスタミンが分泌され、体の一部にかゆみが現われます。たとえば、お手入れなど苦手なことに直面したときに体をかくのは、「嫌だな」という気持ちを、かくことで落ち着かせようとしているのでしょう。
「注目しないで」というアピール
ほかの犬や飼い主さん以外の人に会ったときに体をかき始めるのは、ストレス反応の一種といえます。体をかくことに集中することで、「攻撃しないから、こちらに注目しないで」というサインを送っていると考えられます。
「退屈だな」「飽きたな」と感じている場合も
犬にとっては、退屈を感じることもストレスになります。誰も相手にしてくれなかったり、トレーニングなど同じことを何度も繰り返しさせられたりすると、「このストレスから逃れたい」という気持ちから、体をかくことがあります。
あくびをする
犬があくびをするのは、たいていが「眠い」と感じているとき。あくびで大きく息を吸い込むことで脳へ酸素を送り、働きが鈍くなった脳を活性化しようとしているのです。
ストレスで脳の働きが鈍く?
飼い主さんとのトレーニング中に犬があくびをするのは、「トレーニングが退屈だ。飽きた」と感じているからかもしれません。したくないトレーニングを続けなければいけないというストレスから、脳の働きが鈍くなっていることも考えられます。
上記以外にも、状況によって異なる意味を持つ犬の行動やしぐさはまだまだあります。愛犬がなんらかのストレスサインを出していないか、日ごろからよく観察してあげられるといいですね。
お話を伺った先生/西川文二先生(しつけスクール「Can! Do! Pet Dog School」代表)
参考/「いぬのきもち」2018年2月号『しっぽを振るのは“うれしい”ときだけじゃない!? よくある愛犬のしぐさ じつは意外なきもちだった!』
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。