犬の性格によってストレスを感じやすい場面は異なります。ここでは、一見ストレスを感じにくそうな「フレンドリー」な犬や「のんびりや」な犬は、どんなときにリスクがあるのかを解説します。日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクターの戸田美由紀先生に、飼い主さんが行えるストレスケアもあわせて教えていただきました。
フレンドリータイプの特徴は?
- 遊んでいると興奮しやすい
- ほかの犬を見ると、自ら寄っていく
- お客さんが来ると、大喜びで飛びつく
- 物音がしたら、その方向へ近づこうとする
明るくていつも陽気なフレンドリータイプの犬。社交的で好奇心が旺盛なため、初めて会う人や犬でも、積極的に近づいていきます。プラス思考でストレスを感じにくいタイプですが、興奮しがちでまわりが見えなくなることも。対人・対犬コミュニケーションでトラブルを起こさないよう注意が必要です。
フレンドリータイプはどんなときにストレス?
人や犬とのスキンシップ不足
人や犬との交流に喜びを感じる性格なので、ふれあいが不足するとストレスにつながります。「人は好きだけど、犬は苦手」というタイプもいるので見きわめも大切です。
散歩や遊びが物足りないとき
エネルギッシュな性質の犬が多いため、刺激不足や運動不足がストレスになりやすいといわれています。
フレンドリータイプのストレスケアは?
興奮させないようにしつつたくさん遊ばせて
フレンドリータイプは、興奮したまま遊ばせないことが大事です。しっかり落ち着かせてから、たっぷり遊ぶように気をつけましょう。散歩の時間もなるべく増やしてみて。
「オスワリ」「マッテ」で落ち着かせて
人を見かけるとすぐに近づこうとしがちなので、飼い主さんがきちんと導かないと、相手も愛犬も嫌な思いをすることがあります。相手の許可を取って、「オスワリ」「マッテ」をさせ落ち着かせてから、「OK」を出し遊ばせましょう。
散歩中の遊びでパワーを発散
フレンドリータイプは毎日の運動が欠かせませんが、長時間の散歩が難しい日もあるはず。散歩中にダッシュしたり、公園などで引っ張りっこ遊びを取り入れたりすると、短時間で効率的にパワーを発散できますよ。
のんびりやタイプの特徴は?
- 物音がしても、あまり動じない
- ほかの犬が吠えてきても騒がない
- 人によって態度があまり変わらない
- 初めて行く場所でもいつもどおり
温厚で物おじしない、のんびりやタイプの犬。周囲の出来事に対し、極端に驚いたり興奮したりせず、常に自身のペースで生きています。自己主張が少なく、問題行動も起こしづらい傾向がありますが、マイペースで飼い主さんの指示に注目できないことも。
のんびりやタイプはどんなときにストレス?
生理的な欲求を放置されたとき
要求が少ないゆえ、飼い主さんが生理的欲求に気づいてあげられないことも。水や食事の不足、暑い・寒い・汚いなどの不快な環境はストレスになります。
飼い主さんやほかの人に触られ続けたとき
嫌がらずに触らせてくれますが、過剰にベタベタするとストレスに感じる犬も。なですぎたり抱っこしすぎたりしていないかを意識したスキンシップが大切です。
のんびりやタイプのストレスケアは?
愛犬のペースにつきあって
かまいすぎず、かまわなすぎずの適度な距離感で接して、愛犬のペースを大事にするのが◎。ひとりでいる時間も作ってあげましょう。
しつけは地道に・できなくても怒らないで
のんびりやタイプはしつけに時間がかかりがちですが、そのことで愛犬を責めるのはNG。できたときはしっかりほめて、楽しい気持ちにさせてあげて。ゆっくりでもいいので「マッテ」「オイデ」などは精度を高めておくのがおすすめです。
スキンシップは適度に
のんびりやの犬でもスキンシップは大切。ただし過干渉は避けましょう。「落ち着いているときに遊びに誘う」「ノリ気じゃないときは早めに切り上げる」などのルールを決めて遊びましょう。
犬の性格はさまざま。愛犬の性格とストレスになりやすい場面を見きわめて、正しいストレスケアを行っていきましょう。
お話を伺った先生/戸田美由紀先生(日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター ジャパンケネルクラブおよび日本警察犬協会公認訓練士)
参考/「いぬのきもち」2020年10月号『5つの「性格タイプ」がわかれば愛犬のストレス解消できます!』
文/東みお
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。