犬と暮らす
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犬が見せる「腹ペコサイン」 食後にもおねだりを要求する場合に考えられる「心配な理由」|獣医師解説
犬が見せる「腹ペコサイン」は?
「犬はおなかが空いているときに、たとえばお皿の前でオスワリしたり、フードの棚の前に来て前足で引っかくようなしぐさを見せたり、飼い主さんがフードを連想するようなしぐさをすることがあります」
犬が腹ペコサインを見せたときに、注意したいことは?
「犬が腹ペコサインを見せる場合に、まずは…
- フードの量や与え方に問題はないか
- 体型に問題はないか
- 病気はないか
ごはんを食べたあとで腹ペコサインを見せるのは、病気のことも?
「その場合もあるでしょう。たとえば、病気の影響で多食傾向が見られる例としては…
- クッシング症候群を患っている場合(ホルモンの病気。体内のコルチゾールが増えることで、多食傾向に)
- ステロイドの内服薬で病気の治療をしているとき
- 痴呆など頭蓋内疾患がある場合
- 糖尿病を患っている場合(糖尿病になるとインスリンが足りず、上手く栄養が取り込めないため、多食傾向に)
病気で多食傾向が見られるコは、多飲多尿の症状も同時に見られる場合が多いです。食事量だけではなく飲水量も普段から気にかけておくと、病気のサインに気がつきやすいです」
病気が原因ではない場合の「おねだり」 都度対応するのは要求がエスカレートすることも
「病気などの原因がなく食べたいアピールをする場合には、人の食べているものが美味しそうで欲しがっていたり、他に楽しみがないから食べたい、というケースだと考えられます。
おなかが空いているアピールをするたびに何か与えてしまうと、要求がエスカレートしたり、余分なカロリー摂取によって肥満になってしまうことがあります。
健康面だけでなく、しつけの点からも、アピールにそのまま応えるのはお勧めしません。遊んであげたりなでてあげるなど、フードを与える以外のことをして、愛犬の満足感を高める工夫をするとよいでしょう」
「そうですね。コミュニケーションの一環としてや、何かのご褒美として、おやつを用いることはよいことです。
ただ、おやつを与えなくても総合栄養食を与えていれば栄養は足りるので、与えなくても問題はありません。日頃からおやつの与えすぎには注意しましょう。
また、人の食べ物をそのまま犬に共有することは、犬の体を考えると塩分などが心配ですし、しつけの面からも好ましくない対応ですので、やめましょう」
病気が原因で多食傾向になることもあるので、気になる飼い主さんはかかりつけの獣医師に相談してみてください。
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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