写真協力/長澤祐子
犬も長生きする時代。長くいっしょにいられるのは幸せなことですが、そのぶんシニア期が長くなり、愛犬にもさまざまなエイジングサイン(老化現象)が見られるようになります。
今回はエイジングサインが出始める犬のプレシニア期のサインについて、元動物看護士で現在は犬のトータルケアサービスを行う「WANCOTT」マネージャーの北島愛さんにお話を伺いました。心構えとしてぜひ知っておき、プレシニア期に合ったケアをしてあげましょう!
プレシニア期ってどんな時期?
小・中型犬: 6才以上~10才未満
大型犬 : 5才以上~8才未満
エイジングサインが徐々に出始める時期。見た目や行動にあらわれにくいため、気づきにくいですが、体の中では確実に老化が始まっています。シニア期を意識し、愛犬の体をいたわれるよう、飼い主さんは愛犬をよく観察してサインに気づくことが大切です。
プレシニア期のエイジングサイン
【目】よく見るとうっすら白っぽかったり青っぽく見える
写真協力/WANCOTT
目の真ん中がなんとなく白い、または青っぽく見えることがあります。これは加齢に伴い水晶体の中心にある核がかたくなる核硬化症と呼ばれる現象のことが多く、その場合、視力は失われません。ただし、白内障との区別が難しいため、定期的な健診がベストです。
【鼻】色が少しずつ薄くなることも
若いころの鼻
プレシニアのころの鼻
若いころはつやつやした黒色の鼻が、年を重ねると新陳代謝が落ちることで全体的に薄くなり、茶色っぽく変化することがあります。
【口】口臭が出て、歯が黄ばんでくる
写真協力/WANCOTT
ふだんから口腔内のケアをしていないと、プレシニアのころから歯周病が増え、口臭が気になり始めます。また色素沈着により、歯の色が黄色っぽく変化してくることもあります。
【被毛】全体的に被毛の色が薄くなり、ところどころ白髪が見られる
若いころの被毛
プレシニアのころの被毛
加齢により毛の色素をつくる力が弱まるため、全体的に毛の色が薄くなってきます。顔まわりにも白髪がちらほら交じるようになるのもこの時期からです。
【遊び】遊びの途中で休憩が入ったり、ほかの犬とじゃれなくなる
若いころと同じような感覚で飼い主さんが遊ぼうとしても、筋力が落ち始めて疲れやすくなるため、愛犬が自ら休憩をとるように。ほかの犬への関心も薄れるので、積極的にかかわろうとしなくなります。
【散歩】散歩中は普通だが帰宅後に疲れて眠ることが多くなる
散歩中はいつもと変わらずに歩きますが、体力が少しずつ落ち始めているため、疲れがたまりやすくなります。散歩から戻るとすぐに横になったり、自分の寝床に直行して休もうとすることが増えます。
プレシニア期にしたい! 若さを保つアンチエイジングケア
撮影/佐藤正之
健康診断で体の内側もしっかりメンテナンスしよう!
体力が落ちたり、内臓の機能が低下したりと、気づかないうちに老化が始まります。若いから大丈夫と思わずに、健康診断で体の中の状態を知っておくと、老化や病気の早期発見につながり、早めにケアや治療ができます。
ふだんのケアの中の健康チェックで病気をブロックしよう!
ブラッシングなどの毎日のケアの中でエイジングサインを発見することも。皮膚や被毛の状態、顔まわりなどをケア中にチェックして。体に触れ、よく見ることでささいな変化に気づけ、病気の早期発見に役立ちます。
毎日の歯みがきでピカピカの歯をキープしよう!
歯はエイジングサインが出やすい部位。若いころから毎日歯みがきなどの口腔ケアをするのが理想ですが、この時期からでも間に合います! 美しい歯をキープするため、少しずつ慣れさせて、歯みがきを習慣にして。
散歩で坂道を歩いたりして体力を維持しよう!
体全体にバランスよく筋肉をつけておくと寝たきり予防に。散歩は上り坂や下り坂、ちょっとした段差などのアップダウンを利用して筋肉を刺激しましょう。ときにはドッグランで全身を使って走るなどもおすすめです。
撮影/佐藤正之
お話を伺った方/「WANCOTT」マネージャー 北島 愛さん
参考/「いぬのきもち」2019年6月号『犬のエイジングサイン』
撮影/佐藤正之
写真協力/WANCOTT、長澤祐子
文/いぬのきもち編集室