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犬の不思議な行動「おしり歩き」は異変のサイン!? 考えられる原因は|獣医師解説
犬のおしり歩きとはどのような行動なのか、いぬのきもち獣医師相談室の藤井亜希奈先生が解説します。
犬がおしり歩きをする理由とは?
「おしりに何らかの違和感があるのでは、と考えられます。犬の体の構造上、肛門周りは口や足で掻いたり、ケアをしにくい部分です。そのため、肛門や肛門嚢、周辺の皮膚に違和感やかゆみなどを感じると、おしり歩きをして解消しようとします」
「その場合もあるでしょう。犬は排便直後に、肛門嚢液をごく少量排出するのですが、肛門嚢液がたまりすぎて排出できなかったり、肛門嚢に痛みなどの違和感を感じている場合は、排便後におしり歩きをすることがあります。
肛門嚢液がたまっている場合、おしり歩き以外にも自分のしっぽを追いかけ回したり、肛門をなめようとするようなしぐさを見せるかもしれません」
肛門嚢液がたまりやすい犬の傾向は?
「たとえば、肥満傾向の犬や、年齢や腰部痛などの影響から便をいきむ力が衰えてきた犬は、自分で肛門嚢液を出しづらくなっている場合があります。
また、大型犬よりは日本で人気の小型犬種のほうが、肛門嚢液がたまりやすい傾向にあるようです」
犬がおしり歩きをしているときの対処法は?
「まずは、 肛門やその周辺の皮膚に湿疹やできものなどの異常がないかを確認してあげましょう。飼い主さんがケアできるのであれば、肛門嚢液がたまっていないかを確認し、たまっているようであれば肛門嚢を絞ってあげてください」
「痛がったり嫌がるそぶりを見せる場合、肛門嚢液がたまりすぎて出にくくなっていたり、肛門嚢が炎症を起こしている可能性もあります。動物病院で診てもらうようにしましょう。
また、肛門嚢液がたまっている様子もなく、肛門周囲に炎症などの異常もないのに気にしている場合は、肛門の内側の直腸部分に原因がある可能性も。頻繁に気にするそぶりが見られるようであれば、早めに受診してください。
動物病院の受診時は、『いつから、どのようなタイミングでおしりを気にしているか』といったことや、『飼い主さんがどのようなケアをしたか』についても、獣医師に伝えるとよいでしょう」
自宅で飼い主さんが愛犬の肛門腺絞りをするのが難しい場合は、動物病院で対応してもらいましょう。
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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