犬が穴に顔を入れているのを見たことがありませんか? たとえば、外で見つけた穴や、家の中だとソファの下などの狭い空間に顔を入れる犬もいるようです。
今回は、犬が穴に顔や鼻を突っ込んでいるときの心理について、いぬのきもち獣医師相談室の濵口美香先生が解説。また、穴に顔を入れるときに注意すべきことも紹介します!
犬が穴に顔を突っ込むときの心理3つ
犬が穴に顔や鼻を入れるとき、主に以下の3つのような心理であると考えられるでしょう。
①安心したい、落ち着きたい
犬は元々、暗くて狭い場所が好きです。野生時代、群れで行動していた犬は休むときに体を寄せ合い、仲間と仲間の間に顔を埋めるような状態になって寝ていたようです。
この休むときの姿勢が犬にとっては心地よく、安心して落ち着けるので、今でも穴のような狭いところに顔を突っ込みたくなるのかもしれません。ソファの下や、クッション、布団などの隙間に鼻を突っ込んだまま、伏せの状態で寝てしまう犬もいますね。
また、怖いことから逃げて落ち着きたい、安心したいというときも、鼻もしくは顔を穴のように狭い場所に突っ込んでじっとしていることがあります。
犬が怖がるシチュエーションは
たとえば、雷や花火、工事の音を怖がる犬は少なくありません。
これらの音が聞こえてくると、怖がっている犬は鼻や顔を穴のような場所に突っ込みながら時々震えたり、あるいは尻尾を丸めながら、じっと音が鳴りやむのを待ちます。
②情報収集、好奇心
穴の中やその先がどうなっているのか気になるときには、前足を入れたり突っついたりもしますが、発達している嗅覚を利用してニオイや気配を感じるために、鼻を突っ込んで好奇心を満たそうとします。
犬にとっては単に「遊んでいる」という感覚で、楽しい気分のよう。
好奇心が強い傾向にある犬種は…
とくにダックスフンドやテリア種、ビーグルなど、巣穴に潜む獲物を捕まえる「猟犬」として活躍していた犬は、本能的に穴の中やその先に興味を持つのかもしれませんね。
③飼い主さんが喜ぶのが嬉しい
毛布の中から鼻だけをのぞかせたり、散歩中に草の中に鼻を突っ込んだりするかわいらしい愛犬の姿に喜んだり、笑ったりすることがあるのではないでしょうか。
犬は飼い主さんの嬉しそうな様子を何度も繰り返し見ていると、「こういうことをしたら喜んでくれる」と学習して、顔を突っ込むようになります。
犬が穴に顔を突っ込むときの注意点3つ
犬が顔や鼻を穴に突っ込むときに、いくつか注意したいことがあります。飼い主さんは、以下の3つのことを覚えておいてください。
①誤食事故
犬が顔を突っ込みたくなるような穴や狭い場所は、飼い主さんの目が行き届かない場所も多くあります。愛犬が好んで顔を突っ込みそうな場所に、誤食事故につながるような物がないか日ごろから注意しましょう。
②虫さされ、ヘビなどに噛まれる
散歩中に草むらなどに鼻を突っ込みたがる犬は、虫さされやヘビに噛まれる可能性があります。安全な場所とわからない場合は、犬が自由に鼻を突っ込む遊びはさせないほうがいいでしょう。
③穴から抜けなくなる
好奇心のあまり、無理やり鼻を穴に突っ込んでしまう犬も稀にいるようです。穴の大きさを見て、抜けなくならないように気をつけて遊ばせましょう。
犬の習性や好奇心から、穴に顔を入れてしまう犬もいるようです。飼い主さんは上記の注意点を把握しながら、そばで見てあげるようにしましょう。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・濵口美香先生)
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
編集/いぬのきもちWeb編集室