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犬もライフステージに合わせて、栄養管理をしよう!

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犬は人の何倍ものスピードで成長し、年をとっていきます。育ち盛りの頃と、中年、高齢の人では、必要な栄養バランスが異なるように、犬も年齢や肥満具合などによって、栄養管理の留意点が異なります。犬のライフステージをよく理解して、フードを与えましょう。

年齢や状態によって、 必要な栄養量や割合は変わる

 体が必要とする栄養素の量は、年齢や生活状態によって異なります。伸び盛りで活動的な中学生は食事をモリモリ食べますが、大人になってもその調子では、肥満になって、生活習慣病のリスクが高まってしまいます。
 犬も同様です。必要な栄養素の量は、ライフステージ(年齢、肥満などの生活状態、妊娠などの生理状態)によって、とらえ直す必要があります。子犬には成長するためにたくさんの栄養が必要ですし、高齢になって、代謝や運動量が落ちてくると、肥満や病気に気を付けなければなりません。
 愛犬の健康のために、ライフステージに応じた栄養管理をしましょう。

成長期は、大切な時期。 骨や筋肉、さまざまな臓器がつくられる

 生まれてから成長が完了するまでを「成長期」といい、栄養のとり方の状態から、「哺乳期」「離乳期」「離乳後の成長期」に分けてとらえることができます。「成長期」には、体を維持したり活動したりするための栄養のほか、体や免疫などのしくみが発達するための栄養も必要になります。
 母乳を飲んで育つ「哺乳期」には、母犬の栄養管理が重要になります。「離乳期」は母乳を飲みつつ、母犬と同じ食物に少しずつ慣れていく期間で、食事の提供を、飼い主が受け持つことになります。「離乳後の成長期」は、母乳を飲まなくなってから成長が完了するまでの期間です。

離乳期は、子犬の食事の世話を 母犬からバトンタッチ

 子犬に乳歯が生え始め、母犬の食べ物に興味を示しだす生後3〜4週頃から、お湯を加えておかゆのようにしたフードを離乳食として与えます。母乳も飲んでいるなら、最初はなめる程度から始め、生後6〜8週(2カ月)くらいには固形フードを食べられるようにします。
 離乳食用のフードは、消化がよく、少量で効率よくエネルギーとなる成長期用の総合栄養食(「子犬用」などの表示がある)を与えましょう。自家製の離乳食は栄養的に充分とはいえません。
 この時期の食事の経験は、その後の食の好みに影響することがあります。離乳食や成長期フードの中から、いろいろな風味や舌触りのものを体験させておきましょう。

母犬がいない哺乳期の 子犬を育てるときは?

 もし、母犬のいない離乳前(生後8週くらいまで)の子犬を育てなければならないときには、「子犬用ミルク」を温め、哺乳瓶で与えます。人の飲む牛乳は消化不良を起こすことがあり、犬用のミルクでは必要な栄養素が充分にとれないので代用してはいけません。
 子犬用のミルクのパッケージには、成犬体重別などで給与の目安量が書かれています。栄養が不足しないように、体重は毎日量って記録し、与えるミルクの量を増やしていきます。
 また、保護した場合は獣医師の診察を受けて犬種や生後日数なども判断してもらい、与えるミルクの量や回数の参考にしましょう。

離乳後の成長期は、体重と体型を把握して 過不足なく食事を増やしていく

 離乳後の成長期からは、子犬は飼い主が与えるフードのみによって成長していきます。犬は生後約4カ月〜5カ月までに、成犬の体重の50%まで急激に成長します。その後、成長が横ばいに近くなるのは、中・小型犬が6〜9カ月なのに対し、大型犬・超大型犬では1才半ごろと、大きな差があります。ともに成長に合わせてフードの量を適切に増やして成長を促すことが大切ですが、とくに大型犬・超大型犬では、急速な成長や体重増加が骨格の成長に悪影響を及ぼすことがあります。犬種別のフードや、成犬体重別に給与量が記載されているフードを選ぶのもよい方法です。

成犬期は、肥満に注意!  加齢を早めない栄養管理を

 成犬期(成熟期・維持期)とは、成長が止まってから、平均寿命のおよそ半分までの期間で、中・小型犬では1才〜6・7才頃まで、大型犬・超大型犬では4・5才頃までとされています。
 変化の少ない期間のようにも思えますが、この時期の栄養管理が悪いと、健康に影響を及ぼすばかりか、加齢を早めることにもなります。
 とくに、避妊・去勢をすると、それまでより必要なエネルギー量が減るため、肥満の予防はこの時期の重要ポイントです。定期的な体重測定をし、体重が増えてきたら獣医師に相談しましょう。食事の量や内容のコントロールのほか、上下運動ができる場所を確保するなどして、適度な運動をさせることも大切です。

成犬期は、加齢に個体差が出てくる時期。 かかりやすい病気も知っておこう

 愛犬の健康のために、かかりやすい病気と栄養素の関係を知っておきましょう。
 犬の死因として多い慢性腎臓病は、たんぱく質とリンの過剰摂取が症状を悪化させます。
 加齢や肥満がかかわる病気に、心臓病や関節炎、すい炎があります。肥満を防ぐとともに、栄養バランスのよい食生活で、この時期から加齢をできるだけ遅らせたいものです。
 膀胱炎や尿路結石症のリスクを下げるためには、水分摂取を充分にできる環境が大切です。
 健康寿命には歯も大切ですから、歯石の沈着に留意したフード選びも重要です。

高齢期、寿命は年々延びているが 病気になりやすくなる時期

 加齢に伴う変化が外見や体の機能に現れてくる時期を、高齢期(シニア期)と呼びます。犬では一般的に7、8才以降を指しますが、個体差も大きいです。
 高齢期の栄養管理で大切なのは、加齢を遅らせ、高齢になるとかかりやすくなる病気を遠ざけることです。もし病気になった場合は、病気の進行を最小限にとどめるために、病気の特徴に沿った栄養管理が必要になります。
 ワクチン接種の普及や医療の進歩から、20才近くまで生きる犬も珍しくなくなりました。愛犬の健康なシニアライフを、栄養の面からも、飼い主がしっかりバックアップしたいものです。

高齢期は、これまでと同じように 食べさせていては危険!

 高齢期の犬は、じっとしている時間や寝ている時間も増え、活動的でなくなります。筋肉量が減少し、基礎代謝も低下してきます。このため、1日の必要摂取カロリーは、成犬期に比べて減少します。これまでと同じフードを同じだけ与えていては肥満になりやすいので、脂肪の割合などが抑えられた高齢期用のフードへの切り替えが必要です。
 ただし、さらに年をとると、食べる量が減ったり消化吸収能力が衰えてきたりすることがあります。その場合には、エネルギー効率のよい脂肪を適度に含んだ、消化のよいフードのほうが合う場合もあります。愛犬の体の状態に応じて、獣医師の判断も仰ぎながらフード選びをしましょう。

かかりやすい病気に留意した 栄養管理を

 犬の死因で多いものに、腎不全があります。慢性腎臓病は、初期の段階では症状がみられないのも特徴です。手作り食などでたんぱく質を過剰に摂取していると、気付かないうちに症状を重くすることがあります。
 腎臓病が進行していると、リンやナトリウムの過剰摂取が症状を悪化させます。ですから、日頃から塩分をとりすぎることは、避けたほうが安全です。とくに人の食べ物や犬・猫用のトリーツ・スナック類は、塩分を多く含んでいるので要注意です。
 高齢になると、のどの渇きに気付きづらくなって水を飲む量が減り、腎機能の低下も重なれば脱水症状が起こりやすくなります。食事の一部をウエットフードにしてフードから水分を補給させることも効果的です。

高齢期の犬の食事を 替えるときはゆっくりと

 高齢期には、年齢や体調に応じたフードに切り替えたいことがあるほか、病気の場合、処方される療法食に切り替えなければならない場合も多くあります。
 高齢になると、長年食べ慣れたフードへのこだわりから、新しいフードを頑固に拒否する傾向が強くなります。すんなり食べてくれる場合にも、胃腸の適応能力が低下しているため、急いでフードを切り替えると、消化不良を起こすおそれがあります。ふだんでも、フードの切り替えは消化不良を起こさないように、1週間ほどかけて徐々に行うべきですが、高齢期には、さらにゆっくり切り替えるようにしましょう。
 さらに高齢になると、味覚や嗅覚が衰えたり、歯周病になったりするせいで、食欲自体が落ちてくることもあります。ドライフードをウエットフードに切り替えたり、さらにウエットフードを少し温めて嗜好性を高めたりするなどの工夫もしましょう。

妊娠・授乳期は、ライフステージの中で いちばんエネルギーが必要

 妊娠・授乳期の母犬は、何頭もの子犬を体内や母乳によって育てるために、多くの栄養を必要とします。とくに授乳中は、ライフステージの中でエネルギー要求量がもっとも増すときでもあります。
 犬の妊娠期間は平均63日で、お腹の子は妊娠40日以降に急速に発育します。このため、妊娠期間中は段階を踏んで摂取カロリーを増やしていきます。たくさんの子がお腹にいると胃が圧迫されて食が細ることもあるので、妊娠・授乳期用、または成長期用のカロリーが高く、消化のよいフードを、1日3期以上に分けて与えるとよいでしょう。

引用元:いぬのきもち『愛犬の栄養学事典』

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