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ドッグフードの選び方・与え方を知ろう~パッケージ表示の見方・与え方

犬と暮らしていると、気になるのはフードのこと。合わないフードは、食べない、吐く、といった問題行動にもつながります。そこで、フードのパッケージに記載された内容の種類や見方、与え方についてまとめました。ライフステージに応じて、適切な栄養管理をしましょう。

主食は、犬用の 総合栄養食であること!

 ペットフードのパッケージやラベルには、「ペットフード安全法」や「ペットフードの表示に関する公正競争規約」で定められた情報などが記載されています。表示の意味を知って正しくフードを選び、愛犬の栄養管理に役立てましょう。
 ペットフードはまず、犬用か猫用かがわかるように表示されています。犬と猫では、必要な栄養素やそのバランスが異なるので、専用のフードを選ぶ必要があります。
 次に、フードの目的が記載されています。主食には、総合栄養食を選ぶ必要があります。総合栄養食では、適するライフステージも併記されています。
オレンジ字は「ペットフード安全法」によって表示が義務付けられているもの。
緑字は「ペットフードの表示に関する公正競争規約」に定められているもの。ほとんどのフードに記載がある。

代謝エネルギーはさまざま 給与方法の表示を目安に

 ペットフードには、給与方法(1日に与える量や回数)が記載されています。総合栄養食の場合、与える量や回数などが、年齢・月齢や体重に応じて書かれています。フードによって重量あたりの代謝エネルギー(体内で利用できるエネルギー量)は異なるので、フードを替えたときには、必ず給与方法の記載を確認しましょう。
 成分表示では、たんぱく質、脂肪などの主な栄養素や水分の重量比が表示されています。たんぱく質、脂肪は「○%以上」と最低値が、繊維質、ミネラルは「○%以下」と最大値が記載されています。気になる栄養素は、ここで確認しましょう。
 なお、フードの購入時や保管時には賞味期限も確認して、期限内に消費するようにしましょう。
オレンジ字は「ペットフード安全法」によって表示が義務付けられているもの。
緑字は「ペットフードの表示に関する公正競争規約」に定められているもの。ほとんどのフードに記載がある。

フードの目的と与え方を よく確認して

 ペットフードには「総合栄養食」「間食」「療法食」「その他の目的食」のいずれかの目的が記載されています。
 「総合栄養食」とは、そのフードと水だけで健康が維持できる、主食として与えるべきフードのことです。犬・猫の違い、年齢などに合わせて、必要な栄養基準が設けられています。
 「一般食」という表示があるフードは、「その他の目的食」に含まれます。おかずとして与える「一般食」や「副食」のほか、サプリメントなども含まれます。

表示を参考に 個体差を考慮して選ぼう

 総合栄養食のフードには、「子犬用」「成犬用」などのライフステージや「○才以上」といった詳しい年齢を表示しているものがあります。すべての年齢に対応する「全成長段階用(オールステージ用)」もあります。
 成長期の子犬は、少ないフードで多くのエネルギーがとれるほうがよく、代謝の減る高齢期には、1日の摂取エネルギーを抑える必要があるなど、ライフステージによって、必要な栄養の量は異なります。ライフステージに応じた栄養構成のフードを選ぶようにします。ただ、犬種による違いや個体差もあるので、愛犬の状態もみながらフードを選択しましょう。

フードの記載量はあくまで目安。 愛犬に適した量を計算してみよう

 同じ体重の犬でも、年齢や暮らしている環境、性別、活発かそうでないかなどによって、1日に必要なエネルギー量は異なります。
 フードの給与量の目安はパッケージに記載されていますが、あくまで目安です。愛犬の状態から、調整する必要がある場合があります。
 総合栄養食のフードの多くには、代謝エネルギーが記載されています。1日に必要なフードの量は、DER(1日あたりエネルギー要求量)を食物の代謝エネルギーでわって、求めることができます。
 与えるフードの適正量を、ぜひ計算してみましょう。

目分量はカロリーオーバーの元 1日の量を一度きちんと量って!

1日に与えるフードの量を把握したら、成犬の場合、その量を1日2〜3回に分けて与えましょう。食事の回数を分けることで、食物の消化吸収に何度もエネルギーを使う分、肥満防止につながります。また、高齢や病気で消化機能が落ちているときは、1日3回以上に分けて与えたほうが負担なく消化することができます。
 1回分の量を目分量で与えていると、少しずつの誤差が結構なカロリーオーバーにつながります。1日分の量を量ってから分けるようにすると、何回にも分けて与えるときも与えすぎを防げます。
 定期的に体重測定をして、フードの量や内容が適正か、確認することも大切です。

ウェット、ドライ、 それぞれのメリットから選んで

 主食として選ぶべき「総合栄養食」のフードには、ウエットフード、ドライフード、ドライフードよりもしっとりしたセミモイストフードなど、さまざまな食感のものがあります。
 ドライフードは含まれる水分が10%以下で、細菌やカビが繁殖しづらく、保存がききます。値段も比較的安く、機能性の選択肢も多くあります。ウエットフードには水分が75%程度含まれていて、食事から水分を補給することができます。やわらかく風味がよいため、食欲が落ちてきた場合に、効果的なこともあります。
 ドライフードとウエットフード、それぞれのメリットから、愛犬の状態に合わせて選びましょう。

理由がなければ 毎日同じフードがおなかに安心

 ドライフードとウエットフードの違いをはじめとし、材料や風味、歯ごたえなどが違う、さまざまなフードがあります。
 成長期のはじめにいろいろなフードを体験させておくのは、好き嫌いを防ぐために有効ですが、それ以降は、理由なく頻繁にフードを替えると、選り好みをするようになったり、成分が大きく変わると、消化不良を起こしたりも。愛犬の体調に合ったフードを継続して与えるほうが安心です。
 ライフステージに応じてフードを切り替えるときや、療法食を食べさせる必要が出たときには、1週間ほどかけて少しずつ切り替えて、フードの変化に胃腸を慣らせていきましょう。

間食は、1日に必要なエネルギー量の 10〜20%以内に抑えたい

 動物とのコミュニケーションやご褒美として与えるおやつには、「間食」(または、おやつ・スナックなど)と表示されています。栄養の補給を目的としていないため栄養基準がなく、大量に与えると、栄養バランスに影響が出てしまいます。人がおやつばかり食べていてはよくないのと同じです。与える量は、1日に必要なエネルギー量の10〜20%以下に抑え、食事療法をしている場合には10%以下にとどめましょう。
 また、間食の中には、嗜好性を高くするために塩分が多くなっているものもあります。ナトリウムを制限する療法食を食べさせている場合などには、注意が必要です。

療養食を与えるときは、 必ず獣医師の指導に従うこと

 「療法食」は、特定の病気や健康状態に応じて栄養素が調整されたフードで、獣医師の指導のもとで食事管理を行うためのものです。飼い主が自由に選んでよいものではありません。
 たとえ一度処方されたことがあるフードでも、病状の変化によって、栄養管理の仕方は異なります。療法食の内容が病状と合わなくなっていた場合、症状を悪化させることもあります。
「総合栄養食」には「○○に配慮」といった栄養バランスによる機能性が打ち出されたものがありますが、これらはあくまで、健康な犬が病気に備えるためのものです。病気と診断されたときは、獣医師の指示に従って食事を与えましょう。

犬ってどうおいしさを感じる? 知って、フード選びに活かして

 犬がどんなふうに食べ物を味わっているのか知っておくと、フード選びのほか、食べてくれないときの工夫にも役立ちます。
 犬は人に比べて嗅覚が発達しているため、まずニオイでおいしさをたっぷり感じとっています。お腹がすいたときには嗅覚が強まるようです。
 主に獲物を捕らえて食べる犬は、アミノ酸の違いを人よりも詳しく識別できているようです。腐敗に気づくための酸味を感じる力も強く備わっています。猫と違って雑食性のある犬は、甘みに興味を示します。
 そのほか、フードの口当たりにも好みが出ます。一般的にウエットフードが好まれます。

食べてくれないときは、 安心感とおいしさで乗り切りたい

 犬はそれまでの経験によってはフードの好みがでることがあり、高齢になると、長年の経験から食べ物に対して頑固になる傾向があります。
 フードを切り替える必要があるとき、新しいフードに満足感を感じられないことがあります。とくに病気の際の療法食への切り替えは、寿命を左右することもある重要なので、ストレスなく切り替えを成功させるための工夫を、いくつか知っておきましょう。
 なお、療法食に薬を混ぜると嫌な食べ物だと思うようにもなるので、療法食で薬をごまかすことは避けます。

フードの嗜好性が高いことと、 愛犬が好むかどうかは別

 ペットフードは、食べてもらえるように、ニオイや味、質感などの工夫で、嗜好性が高められています。食欲不振に陥ったときや療法食を受け入れてもらうためには、フードを与えるときの工夫で、さらに嗜好性を高める必要があります。ところが、どれほど嗜好性の高いフードでも、すべての犬が好んで食べてくれるわけではありません。個体によって好みに違いがあるからです。
 動物は、ニオイ、味、温度や口当たりなどを、嗅覚、味覚、触覚で感じながら、食べ物を味わっています。それらのうち、どんなニオイが好き、どんな口当たりが好みだといった愛犬の好みを日頃から観察しておくと、いざというときに活かせます。
 近年の療法食は嗜好性が高くなっているので、徐々に切り替えるなどの工夫で、切り替えは可能です。苦労はあるかもしれませんが、療法食で病状をコントロールすることの価値は大きいものです。根気強く取り組みましょう。

お肉中心の 手作り食ならOK?

 栄養バランスが調整された手作り食を与えることは、専門知識も必要になり、難しい点があります。
 少しの栄養バランスのくずれも毎日続けば健康に影響が出るので、手作り食は、与えてはいけないものに留意しながら、たまにごほうびなどに限って楽しむことをおすすめします。
引用元:いぬのきもち『愛犬の栄養学事典』
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