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いぬのきもち【獣医師監修】犬の白内障についての最新まとめ~原因・症状・手術・目薬・治療体験談

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犬も人と同じように、目が濁って見えにくくなる病気「白内障」にかかることが。その原因は加齢や遺伝的なものはもちろん、それ以外にもさまざまな原因があります。今回はそんな白内障の初期症状や原因と予防方法、目薬や手術による治療方法、手術費用についてご紹介します。



監修/石田陽子先生(石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長)

犬の白内障の原因と症状

白内障とは、本来透明であるはずの水晶体の一部または全体が白く濁り、視覚が失われていく目の病気です。初期のごく軽度の白内障では、レンズの部分がうっすらと濁ったように見えたり、小さな白っぽい点ができたりしますが、症状が進行するとだんだんレンズの色が真っ白になってきます。
おもな原因と症状には以下のものが挙げられます。


原因症状
先天的な原因(遺伝性)水晶体内の代謝機能が先天的にうまく働かずに水晶体が濁る
外傷性水晶体やその周囲が損傷
代謝性糖尿病などの代謝性の病気が原因で、水晶体の内部の正常な代謝が妨げられる
続発性水晶体周辺の組織の炎症や不調から、水晶体内の代謝が影響を受けて、目が白く濁る

白内障の初期症状

・歩くときにやたら地面のにおいを嗅ぐ仕草をする
・物にぶつかる
・階段を上り下りするのを嫌がる
・薄暗い場所の散歩を嫌がる
・急に驚く
・投げたボールを見失う
・愛犬が目をしょぼしょぼさせている
・写真を撮影するときに片目だけキラキラと光っている

日ごろから目の見え方に変化がないか気をつけて観察するようにしましょう。

飼い主体験談 愛犬の白内障に気づいたきっかけ


  • ・13才のころ。手を出しても匂いを嗅いでぶつかってしまい、ん?と思っていたら、どんどん目が白くなってきました。(チワワ)


  • ・10才くらい。段差があるところを恐がるようになり、階段を踏み外すようになりました(トイ・プードル)


  • ・10才で発症。糖尿病になり、半年ほど経ったころでした。1週間ほどで、あっ!と言う間に片眼は真っ白に。もう片目はわずかに視力が残りましたが、本当に「あれ⁈ 何か目が白っぽい、変だな」と思ってから数日の急激な進行で手の施しようがありませんでした。(トイ・プードル)


  • ・生後7カ月で目が濁りだし、最初の動物病院では指摘されませんでしたが、セカンドオピニオンで受診した病院で若年性白内障と診断されました。 5才のときに緑内障も発症し、 その後失明しました。(アメリカン・コッカー・スパニエル)


  • ・若年性白内障のため2才で手術しました。夕方薄暗くなってからのお散歩のときに、電柱などにぶつかりそうになるので、動物病院で診てもらったら少し白く濁っていると指摘されました。その後、動物の眼科専門医に相談に行きました。(ボストン・テリア)



※2018年9月「いぬのきもちアプリ」アンケートより(回答者数172人)

白内障の治療方法

白内障の治療方針は、大きく内科的治療と外科的治療に分けられます。外科的治療の手術を行っても必ずしも完治できるとは限らず、内科的治療方法では、進行を遅らせる効果はあっても、進行した白内障を完治させることはできません。

内科的治療(点眼・内服薬)

内科的治療は、点眼薬や内服薬で行います。点眼薬として一般的に処方されるのはピレノキシン製剤(ライトクリーン・カリーユニ・カタリン)ですが、「白内障を治す」というよりは、「進行を抑える」ことがおもな目的になります。
また、最近ではNアセテルカルノシン(シーナック・キャンシー・ドッグクララスティル)が、水晶体内の酸化を抑制するとして使用されています。現在は点眼や内服だけで白内障が完治することは不可能です。
※Nアセテルカルノシンを含む目薬はピレノキシン系の目薬との併用は禁止となっています。

外科的治療(手術)

外科的治療は、濁った水晶体を超音波の振動で細かく砕いて取り除き、水晶体の代わりに人工レンズを挿入する手術を行います。手術自体の難易度よりも、白内障の進行度、緑内障などほかの眼疾患がないか、術後の管理(頻回の点眼、投薬、エリザベスカラーの装着、合併症の治療)が大変なため、犬の性格や飼い主の管理能力などを総合的に判断して手術を行うか決定します。

通院頻度

白内障になったら、手術をする外科的治療か、手術をしない内科的治療のどちらを選択するかによって、通院の頻度は異なります。手術を行った場合は、3〜4日の入院後、投薬と点眼治療を行い、術後の状態や合併症の有無によって1〜2週間間隔で定期的な検査や診察を、1〜2カ月行うといった経過観察が必要です。初期段階の白内障は点眼薬を使用し、定期的な検査と診察を行い、症状の進行を緩やかにする治療を行います。手術をしない場合は、充分な効果が期待できなくても点眼や投薬治療で少しでも失明を遅らせるための治療を行います。

治療費

白内障の手術は、片目で20万〜40万円かかるほか、術前の眼科の精密検査、術後の通院、投薬、合併症がある場合はその治療などの費用が別途かかります。両目の手術では50万円以上かかります。

白内障の予防

白内障になりやすい犬種

白内障にかかりやすい犬種として、以下の犬種が挙げられます。


  • □トイ・プードル

  • □柴

  • □アメリカン・コッカー・スパニエル

  • □シー・ズー

  • □グレート・デーン

  • □ミニチュア・ダックスフンド

  • □オーストラリアン・シェパード

など
白内障はシニア犬に発症するケースが多いですが、生後数カ月で発症した事例も。白内障にかかりやすいとされている犬種と暮らしている場合は、愛犬の様子をよくチェックしておきましょう。

予防と対策

白内障の予防方法は確立されていません。しかし加齢によって進行する糖尿病では、高血糖が水晶体を白濁させ、血管や神経が劣化することで進行するという結果がわかっています。このことから、抗酸化作用、免疫力を高める作用をもつ物質や食べ物、サプリメントを摂取することで白内障を予防できるのではないかとも考えられています。
白内障の予防が期待できる栄養素の代表として、ビタミンE、ルテイン、プロポリス、アガリクス、β-カロテン、ビタミンCなどが挙げられ、これらの製剤が「白内障予防サプリメント」として発売されています。

いちばん重要なのは早期発見ができるか

白内障は驚くべき速さで進行することもあり、短期間で失明に至るケースや、水晶体起因性ブドウ膜炎や網膜剥離を併発するケースもあります。白内障の一番の対策は、早期発見しかありません。こまめに愛犬の様子や目の濁りをチェックし、必要があれば動物病院で検査するようにしましょう。




監修/石田陽子先生
獣医師。川崎市の石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長。
おもに歯科・歯周外科診療と行動カウンセリングを行う。
愛犬は和音くん(オス・12才/4.7kg/ミニチュア・ダックスフンド)

石田ようこ犬と猫の歯科クリニック

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