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犬の下痢の症状と原因、対策について

犬が下痢を起こす場合は、様々な症状と原因があります。これらを見極めることができれば、動物病院へ行くべきか、様子見でいいかが判断しやすくなります。時に深刻な病気が隠れていることもある犬の下痢。ここでは、そんな犬の下痢の症状と原因、そして対策についてご紹介して行きます。
目次

・犬の下痢の原因について
・下痢の状態・犬の症状からの診断方法
・下痢の対処方法とは
・下痢の予防方法とは
この記事は、いぬのきもち相談室の獣医師が執筆しています。

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犬の下痢の原因について

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◯フードに関する下痢、誤食
フードに関する下痢は比較的多く見られます。いつもと違う新しいフードに変えた、いつもと違うおやつをあげた、フードやおやつをいつもより多くあげすぎた、などの心当たりがあるときは原因がはっきりしています。また、人間の食べ物を与えたような場合に下痢をしてしまうことも比較的多く見られます。他にも、犬にとって食べてはいけないものを食べてしまったことにより下痢を起こすこともあります。
◯環境の変化やストレスによる下痢
精神的に弱いタイプの子や環境の変化に弱いタイプの犬はストレスですぐに下痢をしてしまうことがあります。また、季節の変わり目にも下痢は多く見られます。ペットホテルやトリミング後、いつもと違うところへの外出や自宅にたくさんの来客があったような場合に下痢をしてしまうことがあります。
◯寄生虫による下痢
寄生虫による下痢は仔犬に見られることが多く、成犬では症状は出しにくいですが、寄生虫のいる仔犬との接触で感染することがあります。仔犬や高齢犬の場合には重症化しやすいので注意が必要です。仔犬との接触は、成犬側に寄生虫がいないことを確認してからにしましょう。
◯ウイルス性、細菌性の下痢
ウイルス性の下痢(犬パルボウイルス、コロナウイルス、パルボウイルス等)は命に関わる病気のことがありますが、これらの病気はワクチンで予防できますので、定期的なワクチン接種はしっかり行いましょう。腸内にはたくさんの細菌がいますが、何らかの原因で一時的に腸内細菌が乱れ、下痢を引き起こすことがあります。細菌性の下痢の原因となるのは大腸菌やサルモネラ菌等です。
◯内臓疾患による下痢
このタイプの下痢は、内臓になんらかの原因となる病気が隠れていることがあり、高齢の犬で多く見られます。若齢の犬で見られる場合には、生まれつき消化管機能が弱い場合があります。下痢を起こす病気として多く見られるのは、膵炎や炎症性腸疾患(IBD)、消化管腫瘍などです。
◯体質による下痢
アレルギーやアトピー体質の犬は腸内環境が乱れやすく、少しの体調変化やフードの原料等に影響を受けやすく、下痢をしてしまうことが多くみられます。

下痢の状態・犬の症状からの診断方法

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◯下痢の状態がベタベタした柔らかい便
ベタベタした軟便の場合には、食べ物による影響の可能性が高いと考えられます。いつもよりごはんやおやつの量が少し多すぎたり、いつもと違う物を与えたりした場合など、心当たりを探してみましょう。
◯水下痢
ウイルスや細菌性が原因のような下痢では、数日間続く激しい下痢がみられます。このような激しい下痢の場合には水分が吸収できず、身体の中から水分が出てしまい、ひどくなると脱水を起こしてしまうことがあるため注意が必要です。
◯血便、ゼリー状(粘血便)
大腸で出血している場合に血便がみられます。血便が出ても一時的で、元気、食欲があるような場合には少し様子をみても大丈夫でしょう。血便と一緒にゼリー状の物がでることがありますが、これは腸の粘膜が一緒に剥がれ落ちていると考えられます。
◯黒褐色の下痢便
血の色は時間の経過とともに赤から黒褐色へと変化していきます。便の色が黒褐色の場合には、胃や消化管の入口(小腸)の方で出血していた可能性があります。このような下痢便の場合には消化管の検査が必要です。
下痢の重症度と症状を見極めるポイントは以下のような点を確認してみてください。
・下痢はしているが、元気食欲があるかどうか・下痢をしたがすぐに回復した
・下痢をして、良くなったり悪くなったりを繰り返している
・下痢の状態が日に日に悪化している
・元気がなく、ベッドやハウスから出てこない、震えも見られる

下痢の対処方法とは

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◯一時的に下痢をしたがすぐに回復した。ごはんやおやつ等原因に心当たりがある
このような場合にはそのまま様子をみても大丈夫でしょう。ごはんの量はいつもより少なめにしたり、状態に応じておやつはお休みにしたりした方がよいかもしれません。治ったからといって油断すると再発してしまうことがありますので完全に通常の便に戻るまでしっかりと様子は見てあげましょう。
◯下痢をしているが、元気、食欲はある
このような場合には、ごはんをいつもより少なく与えるか、半日ほど絶食して様子をみてください。ただし、ごはんを抜くと胃液を戻してしまうようなタイプの子では、絶食はせずに少量は与えるようにしてください。食欲があるからと、ごはんをあげすぎると回復が遅れてしまいます。整腸剤や無糖のヨーグルトをスプーン一杯程度与えても良いでしょう。
◯下痢をしていて、元気、食欲もない、震えている。
このような場合には、下痢に伴い腹痛など、何か他に症状がある可能性がありますので、早めの受診をおすすめ致します。特に小型犬は少しの痛みでも食欲が無くなってしまいますので注意が必要です。
◯下痢だけでなく嘔吐もしている。
食べてはいけないような物を誤食してしまったり、中毒を起こしてしまうような物を食べてしまったりしたようなことに心当たりはないか確認しましょう。このような場合には脱水を起こしてしまう可能性が高くなるため、早めに受診をしましょう。症状に応じて皮下点滴などが必要になることがあります。
◯便の状態が水下痢や、黒褐色の便
いずれの場合にも下痢の原因を特定する必要がありますので、なるべく早い受診をおすすめ致します。受診の際に、下痢便を持っていったり、いつからどのような下痢を起こしているのか等の記録があったりすれば獣医師に情報が伝わりやすくなるのでおすすめです。

下痢の予防方法とは

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◯フードによる下痢
フードやおやつは、ついついたくさんあけすぎてしまいがちです。1日量を計量しておくようにしましょう。人間の食べ物などもあげたくなる気持ちを抑えることが下痢の予防につながります。
◯環境の変化やストレスによる下痢
このようなタイプの子ではなるべく環境の変化がないような生活を送る方が良いでしょう。どうしても難しいような場合には下痢をしてしまうことを考慮して整腸剤などを与えてみると予防につながることもあります。
◯ウイルス性、細菌性の下痢
このようなタイプの下痢には予防法はありません。しかし、このようなタイプの下痢は自然に回復することが難しいため、下痢が数日間続いたら早めに受診して薬の処方を受けるようにしましょう。早めの対処で早めの回復が可能となります。
◯寄生虫による下痢
成犬では症状は出しにくいですが、高齢犬や犬のたくさんいるような環境に行った、仔犬を迎えたばかり、などのような場合には便検査を行い、必要に応じて駆虫薬の投与を行うことが必要です。心配な場合には動物病院で相談するようにしましょう。
◯内臓疾患の下痢
内臓疾患による下痢を自宅で判断することはできません。定期的な検査など動物病院ごとに行なっているので、心配な場合には病院で相談して、健診を受ける動物良いでしょう。早期発見、早期治療が大切です。
◯体質による下痢
いつも同じものを与えると下痢をしてしまう、というようなタイプの子では体質による下痢の可能性があります。アレルギーが疑われる場合には、アレルギー検査を行っておくとフードを選ぶ時の参考になりますので心配な場合には動物病院に相談してみましょう。
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