愛犬の食事、どのように与えていますか?実はそのときの飼い主さんの行動や接し方によっては、愛犬にストレスを与えているおそれもあるのです。今回は、愛犬の食事どきにやってはいけないNG行動について、獣医師の藤本聖香先生に教えていただきました。
食事をそばで見守る
食事量のチェックなど健康管理の一環で、犬の食事をそばで見守っている飼い主さんも多いですが、犬は見られている状態だと落ち着いて食事ができず、ストレスを感じることがあります。消化不良や食欲不振を招いてしまうこともあるので、食事を見守る場合は離れたところからにしましょう。
フードボウルを手で持ったまま与える
飼い主さんがフードボウルを手で持ったままだと、犬は「フードが取り上げられてしまうかも」と気持ちが焦り、落ち着いて食事することができません。食べやすくしたいなら、フードボウルは食事台に置いて与えましょう。
時間をきっちり決めてゴハンやおやつを与える
規則正しい生活のためにと、食事の時間をきっちり決めてしまうと、犬は少し時間がずれるだけで「早くゴハンをちょうだい!」とイライラするようになります。食事は、大雑把に決めた時間内に与えられれば特に問題なし。ゴハンの要求吠えなどの、困った行動もなくなりますよ。
また、自分だけおやつを食べるのは悪いからと、愛犬にも時間を決めておやつを与えていると、その時間に食べられないときに相当のストレスがかかります。そもそも犬にはおやつの習慣は必要ないので、ムダなストレスをかけないためにも、おやつは何かのごほうびとしてだけ与えるようにしましょう。
食事の前に長時間マッテをさせる
マナーの練習になるからと、食事の前に「マッテ」をさせている飼い主さんは多いですよね。数秒程度なら問題ないですが、食事を前にして長時間マッテの状態にさせるのは、ムダなストレスをかけるだけなのでNGです。飼い主さんとの関係も悪くなるので、やらないようにしましょう。
フードボウルを出しっぱなしにする
好きなときに食べられるようにと、フードボウルを出しっぱなしにしていると、外出時など、食べたいときに食べられない状態にストレスを感じるように。
また、出しっぱなしは衛生的にもよくないので、フードボウルはその都度下げるようにしましょう。ゆっくり食べる犬の場合は、時間を決めて下げるのがおすすめです。
フードの種類を頻繁に変える
味に飽きさせないようにさまざまな種類のフードを与えていると、犬に好き嫌いのクセがついて必要な栄養がとれなくなったり、舌が肥えてえり好みしたりする可能性も。好きなフードが出ないことでストレスになるだけでなく、将来療法食が食べられなくなるというデメリットもあるので、フードは頻繁に変えないでください。
「愛犬がかわいいから」や「愛犬のために」と、無意識にやってしまいがちな行動ばかりでしたね。愛犬の健康を守るためにも、食事どきの正しい接し方やお世話の仕方を知って、日ごろの行動を見直してみましょう。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師)
参考/「いぬのきもち」2022年5月号『もしかして、私のせい!? 愛犬にストレスを与える飼い主さんのNG行動』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。