いっしょに暮らしているなかで愛犬が見せてくれるかわいいしぐさ。じつはそんななにげないしぐさには、犬の〝スゴさ〞が隠れているって知っていましたか? 知ると愛犬のことがもっともっと愛おしくなる生態について、あの『ざんねんないきもの事典』監修で哺乳類学者の今泉忠明先生に聞きました!
飼い主さんを見ると、思わず顔がほころびます
犬は表情筋が発達しているから、笑顔も得意
「犬は群れで生活していた時代、仲間とコミュニケーションをとる必要があったため、表情筋が発達して笑顔も上手になったんですよ」と今泉先生。だから大好きな飼い主さんを見ると楽しくなってニッコリ笑顔になります♡
飼い主さんに一秒でも早く会いたいから、玄関で待ち伏せします
犬の聴力は人の4倍! 飼い主さんの帰宅する足音を聞き分けられる
犬は遠くの足音や車のエンジン音のかすかな違いも聞き分けられるといわれています。それほど聴力が発達した動物なので、飼い主さんが帰宅する前に音に気づいて玄関で待てるのです。
一日に何度だって飼い主さんのニオイをかぎたいんです
飼い主さんに異常がないか確認して安心したい
犬はいつもと同じかどうかを確認して安心するのが大好きな動物です。だから、飼い主さんが少し離れただけでも「異常がないかチェックしなきゃ!」という気持ちが働き、すぐに近寄ってニオイをかぐのです。
いっしょに暮らした飼い主さんのことは一生忘れません
犬は何年たっても楽しい記憶は覚えている
犬は愛情をもってお世話をしてくれた飼い主さんのことは、たとえ離れても生涯忘れることはありません。「楽しい」「うれしい」「安心する」などプラスの感情が伴った記憶はずっと覚えていられる動物だからです。
トレーニング中は、飼い主さんの指示を聞きもらさないように一生懸命になります
飼い主さんに「いいところを見せたい!」とベストを尽くす動物
犬にとって大好きな飼い主さんが喜んでくれることは最高のごほうびです。だからトレーニング中は絶対に手を抜かず、飼い主さんの言葉を聞きもらすまいと集中します。
大好きな飼い主さんのことはたくさん見つめたいんです
見つめ合うと飼い主さんも愛犬も〝幸せホルモン〞が出る
犬は大好きな人のことはよく見つめます。犬と飼い主さんとが見つめ合うと、お互いに〝幸せホルモン〞と呼ばれる「オキシトシン」が出るといわれているので、どちらも幸せに♡
寝ているときに、寝言を言ったり走るしぐさをすることがあります
犬も人と同じように夢を見ている!?
犬も人と同じように夢を見るともいわれており、寝言を言ったり、夢の中の動きを現実でもしてしまうことが。愛犬が寝ているときに足をバタバタさせたり鳴いたりしているのは、楽しい夢を見ている証しかも。
ほかの犬と飼い主さんが仲よくしていると、かまってほしくなります
犬にも「うらやましい」という感情や嫉妬心があるといわれている
犬にも人と同じような嫉妬心があるといわれています。大好きな飼い主さんとほかの犬や人が仲よくしているのを見ると、間に入ったり、気をひこうとするのは「自分もかまってよ!」という嫉妬心からでしょう。
飼い主さんの元気がないときはすぐに気がつきます
飼い主さんのことをよく観察しているから、ちょっとした変化にも気づく
犬は飼い主さんのことをよく観察しているので、些細な変化に敏感に気づける動物です。飼い主さんの元気がないときは「いつもと違うけど、どうしたの?」という気持ちから、近くに行って調べたくなるのです。
いくつになっても飼い主さんに甘えたいんです
飼い主さんのことを〝親〞のように思っている!?
犬はお世話をしてくれたり、守ってくれる飼い主さんのことを親のように思っていそうです。だから大きくなっても飼い主さんにくっついて甘えたり、飼い主さんを前足でつんつんしておねだりしたりします。
いかがでしたか? しぐさの意味を知ると、今までよりもっともっと愛犬が愛おしくなりますね。
※この記事に出てくるデータは、今泉先生の見解によるものです。
お話を伺った先生/哺乳類学者、日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生
参考/いぬのきもち2018年12月号『犬ってこんなにカワイイ生きものなんです♡』
写真/平林美紀、尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室