ここ数年、世界的にも人気とされる柴(柴犬)。今回は、白みがかった麻呂眉が愛らしい黒い毛色をした柴、通称「黒柴」について取り上げました。黒柴の外見的な特徴や性格、迎え入れ方(価格やルート)、飼う前に知っておきたいポイントをご紹介します。
黒柴ってどんな犬?外見的特徴と他の毛色の柴犬との違い
あなたの柴は何色?柴の毛色の種類
柴と聞いたときみなさんが思い浮かべるのは、おそらく茶色の柴ではないでしょうか。実は柴を被毛の色別にわけると、「赤」「黒」「白」「胡麻」の4種類に分かれます。このように分類すると、一般的に柴のイメージとされている茶色は赤毛にくくられます。その他の毛色の特徴としては、黒柴は黒・赤・白入り混じった毛色、白柴はところどころに赤毛が混じるクリーム色、胡麻柴は赤毛に黒毛が混じった色をしています。
世間的なイメージ通り、赤毛の柴は較的多く、最もポピュラーな被毛の色といえるでしょう。一方で黒柴は、柴犬全体のおよそ1割程度とわれています。そのため、ブリーダーなどからの購入価格も、赤毛の柴に比べると割高になることが多いようです。
麻呂眉がカモフラージュ?
黒柴の最大の特徴といえば、目の上にある麻呂眉でしょう。黒い毛並みの中にちょこんと現れる白い眉は、もともと愛らしいお顔をもっとかわいらしく見せますよね。実はこの麻呂眉には、きちんとした役割がありました。黒柴の麻呂眉は、正確には「四つ目」と呼びます。読んで字のごとく、四つ目の「目」に見えることがその由来です。
一説によると、四つ目は、鳥などの外敵から目を守るためのカモフラージュではないかと考えられています。黒柴の四つ目は特に目立ちますが、よく見ると他の被毛の色のコにも四つ目はあります。ただし、白柴は四つ目の毛色と全体的な毛色が似ているため、目立ちにくくなっています。
よく見ると真っ黒ではない
黒柴の毛は、全体が真っ黒というわけではありません。お腹や胸、手足は白っぽくなる犬が多く、よく見ると様々な毛色が入り混じっているのが分かります。黒柴の毛の先は黒色ですが、毛根へ向かうに従い、赤、白へと変化しています。また、手足や口周り、尻尾の先など、体の先端に向かうに従って、毛の色が薄くなる犬が大半です。
ちなみに、黒柴以外の毛色の柴も体と尻尾の内側の毛だけ白くなっているのですが、これは自分の影をできにくくして、天敵から身を守るためだといわれています。その他にも獲物に気づかれないためとの理由もあり、狩猟犬として活躍していた名残がうかがえますね。
黒柴の性格の特徴
黒柴は他の毛色の柴と比べると、やんちゃそうなイメージがあるかもしれません。しかし、もし性格に差があるとすれば、飼われている環境や、個体差による影響がほとんどだと考えられます。ここでは黒柴に限らず、柴全体の性格について見ていきましょう。
飼い主に忠実で頑固
個体差もありますが、柴はドッグトレーナーなどの専門家から、“頑固な犬が多い”と評価されることが多いようです。飼い主と認めた相手には忠実で従順に接しますが、その反面、飼い主以外の指示はなかなか聞きません。このような態度から頑固と感じられるのかもしれませんね。
警戒心が強く攻撃的
元々が狩猟犬だったこともあり、警戒心が強く、凛々しさを感じさせる性格の犬も少なくありません。飼い主以外にはあまり近づかず、自分より大きいものにも立ち向かうので番犬に向いています。しかし、攻撃性が強いため、噛みつくなどの問題行動を起こすこともあるので注意が必要です。
聡明で学習能力が高い
頭が良く学習能力も高いので、一度しつけたことは忘れずしつけがしやすいといわれています。一方で、トイレや寝る場所などこだわりを持っているところは、飼い主の指示よりも自分の考えを優先する一面もあるようです。
性別で性格に差は出る?
柴は、オスとメスで性格に若干の差があるとされています。一般的に、オスは好奇心旺盛で活発、メスは落ち着きがあり警戒心が強いといわれているようです。どこにストレスを感じるかも性別などによって異なるので、愛犬が何を嫌がるのかなど、しっかり把握してあげてくださいね。
黒柴の迎え入れ方
次に、黒柴を実際に飼いたい場合、どのように迎え入れればいいのかをご紹介します。
ペットショップ
まず思い浮かぶのが、ペットショップで迎えることです。しかし、前述したように黒柴は約1割しかいないというほど希少性が高いため、ペットショップによっては黒柴がいないことが考えられます。ちなみに、黒柴の価格相場は12~20万円(※)といわれています。
※2018年11月、ペットショップAの例(生後3ヵ月メス犬)/いぬのきもちウェブマガジン編集室調べ
ブリーダー
「しつけがされている」「個体によって違う、細かな性格やクセなどを聞ける」などの観点から、柴専門のブリーダーから迎え入れる人もいます。日本全国から特定の犬種を扱っているブリーダーを探せるブリーダー検索サイトがいくつかあるのでのぞいてみるとよいでしょう。詳細はブリーダーによって異なるので、情報をよく確認することをおすすめします。
新しい家族になる
子犬が産まれた個人宅や、家の事情や体調の問題で飼い続けられなくなった飼い主から愛犬を引き取って、新しい家族になる(里親)方法もあります。インターネットで検索すると、情報を見つけることができるので活用する手も。
インターネット以外では、公民館や動物病院、動物愛護団体などでも里親を募集している場合もありますので、そういった施設を確認しに行ってみるのもおすすめです。
黒柴を家族に迎える前に!知っておくべき飼い方の注意点
黒柴を飼うにあたって、事前にどのようなことを知っておくべきなのでしょうか?
警戒心が強い性格を理解してお世話する
柴の中には、ブラッシングや歯磨きなど、お手入れをしようと体に触れると嫌がる犬や、子犬の頃の癖が直りにくい犬がいます。一生懸命しつけをしようと思っていても、唸る、吠えるなどして拒絶を示されると、飼い主さんのモチベーションも下がってしまいますよね。
しかし、お手入れの道具が怖い、体に触られるのに不慣れなど、嫌がるのにはきちんと理由があります。焦らずに少しずつ体に触れる練習をするなど、時間をかけて距離を近づけていきましょう。また、おやつをあげながら、お世話をするのもよい方法です。
抜け毛が多い犬種なのでこまめなブラッシングを
柴犬は、オーバーコートとアンダーコートのダブルコートを持つ犬種なので、換毛期になると、抜け毛の量がかなり増えるので、こまめにブラッシングをしてあげる必要があります。ただし、体に触れられたりブラッシングが苦手だったりする犬も多いので、比較的嫌がらない、背中のブラッシングから練習をしてみてください。
この場合も、おやつを与えながら行うことで、犬が嫌がりにくくなるケースがあります。このように工夫して、少しずつお手入れの範囲を広げましょう。
好奇心旺盛で甘えん坊な一面も
柴は黒柴に限らず、本来は好奇心が旺盛な犬が多い傾向にあります。また、飼い主さんと心が通じ合うと、とても甘えん坊な一面をあらわにする犬も。性格は個性でもあるので、育ち方に対して断定はできませんが、きっと素敵な家族の一員になってくれるでしょう。
柴がかかりやすい病気に注意!
柴は、以下のような病気にかかりやすいといわれています。
- 免疫機能の異常でかゆみや炎症が出る「アレルギー性皮膚炎」
- アレルギー性皮膚炎から併発しやすい「外耳炎」
- 老化による脳の萎縮で起きる「認知症」
- 黒目が白くにごって目が見えにくくなる「白内障」
- 眼圧が上昇し視神経を圧迫する「緑内障」
- 股関節の骨がゆるくなってはずれやすくなる「股関節形成不全」
- ひざの骨のお皿がずれて脱臼してしまう「膝蓋骨脱臼」
- 柴だけでなく、犬の約80%がかかるといわれる「歯周病」
ちなみに、柴が「認知症」にかかりやすいのは、長生きすることが多いためだといわれています。また、上記の病気には、進行すると取り返しがつかなくなるものも。日ごろから愛犬の体調チェックをしっかり行い、いつもと違う症状や行動が出ていないかどうか確認しましょう。
高まる柴人気の中でも、黒柴の注目度は上がっているそうです。黒柴の人気の理由のひとつである四つ目は、なんだか顔立ちを幼く見せてくれるようで、とても愛らしいですよね。これから黒柴をお迎えすることを予定している方は、スキンシップを焦らずに、ゆっくりと心を通わせてくださいね。
参考/「いぬのきもち」特別編集『柴犬の飼い主さん3万人の体験から作った!柴犬との暮らしがもっと楽しくなる本』(監修:東京農業大学農学部教授 長島孝行先生、フジタ動物病院院長 藤田桂一先生)
「いぬのきもち」WEBMAGAZINE『柴の特徴と性格・価格相場|犬図鑑』(ヤマザキ動物看護大学講師 認定動物看護師 ペットグルーミングスペシャリスト 危機管理学修士 福山貴昭先生)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。