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【専門家が解説】犬の「おすわり」の教え方&できないときの解決策
犬におすわりはどうして必要なの?
犬がおすわりをすると、お尻を落として体の動きを止めた状態になります。その体勢になると、犬の高ぶっている気持ちが鎮められて、落ち着きを取り戻すことができるといわれています。つまり、おすわりは犬の問題行動の解決や、危険を回避する際に有効なコマンドのひとつなのです。
犬と人とが同じ社会の中で安心・安全に暮らしていくためにも、犬におすわりを覚えさせて、飼い主さんの指示で犬をコントロールできるようにしておくことは、とても大切です。
ではさっそく、おすわりの教え方やコツについてご紹介します。
犬のおすわりの教え方とコツ
用意するもの
フードポーチにフードを入れ、おすわりができたときのごほうびとして与えます。練習中はごはんの分のフードも、ごほうび用に回しましょう。
・リード
練習中に愛犬が飼い主さんのそばを離れると、練習が中断して時間がかかってしまいます。おすわりを教えている間はリードをつけておき、犬があちこち動き回らないようにするのがポイントです。
実践!おすわりの教え方
ごほうび用のフードを手で握り、犬の鼻先に近づけてニオイをかがせます。そうすることで、犬の意識を手に集中させてください。このとき、フードを見せてごほうびの存在をわからせるのはNG。それではフードがないということを聞かなくなってしまいます。フードを握っているとはっきりわからないように、手から見せてはいけません。
犬の意識が手に集中したら、手をそのまま上に動かしていきます。犬がつられて上を向くと、お尻が自然と下がっておすわりの姿勢に。
床にお尻がついたら「イイコ」などの言葉でほめ、フードを与えながら首や胸のあたりをなでます。ほめすぎると犬が興奮して立ち上がってしまうので、おすわりの姿勢を維持していられるよう、穏やかにほめるよう心がけてください。
もしもほめるのと同時に、犬が立ち上がって興奮してしまうときは、そのまま無理に練習を続けることはやめましょう。この場合、短めの散歩や引っ張りっこ遊びなどで、体力を少し発散させてから、改めて練習の時間を設けるなど工夫することがポイントです。
1~3ができるようになったら4のステップに移ります。握った手に犬の意識を集中させる直前に、「おすわり」と声をかけるようにしましょう。犬が「おすわりと言われて座るといいことがある」と学習すると、「おすわり」の合図に反応して座るようになります。
犬のおすわりがうまくできない!そんなときの解決策
グーの手を上げて座らせようとしても、おすわりできません!
フードを握った手に飛びついてしまいます!
ごほうびのフードがないと、おすわりできません!
この場合、フードに代わるごほうびとして、『たくさんほめる』『お気に入りのおもちゃを与える』など、ほかの「いいこと」を用意してあげましょう。その上で、フードを持っているか・持っていないかわからないようにしながら、おすわりの練習を繰り返してみてください。
そして、きちんとコマンドに従っておすわりできるようになってきたら、今度はフードに代わるごほうびを使って練習し、「ごほうびがフードではない場合もある」と覚えさせましょう。
焦らず、さまざまなごほうびを使って練習するのが大切ですよ。
家の外だと、おすわりできません!
次は、家から少し離れた静かな場所で練習し、それから、人も車もやや通る場所で練習するなど、段階を踏んでいくといいですよ。
おすわりは重要なしつけ!子犬のころから覚えさせよう
おすわりを覚えるまでに時間がかかるかもしれませんが、焦らず気長に楽しみながら練習し、うまくできたら、愛犬をほめてあげるのも忘れずに!
「いぬのきもち」特別編集『いぬの「うれしい」がふえる本』
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『犬の「おすわり」を成功させるには?その鍵は「信頼関係」にあった!』
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/松本マユ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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