豊富な毛色が魅力的なポメラニアン。今回は、ポメラニアンの基本情報やJKC公認カラー&非公認カラーの特徴、毛色を選ぶ際の注意点についてご紹介します。アンケートでわかった人気の毛色はもちろん、性格の特徴についてもご紹介しますよ!
ポメラニアンとは?
ポメラニアンの歴史
ポメラニアンの祖先犬は、大型のジャーマン・スピッツやサモエドです。ドイツのポメラニア地方で小型に改良されたことから、この名前がついたといわれています。1800年代、ポメラニアンはイギリスの流行によってさらに小型化が進み、あのビクトリア女王が愛好したことから、一気に人気が広まったことでも知られています。
ポメラニアンの見た目の特徴
体高は18~22cm、体重は1.8~2.3kgが理想の大きさとされています。「フォクシーヘッド」と呼ばれるキツネに似た頭部に、とがった小さな耳や小ぶりな鼻、愛嬌のあるつぶらな瞳が印象的な犬種といえるでしょう。
ポメラニアンの毛色の種類《公認カラー》
犬質の向上などを目的に活動している団体「JKC(ジャパンケネルクラブ)」。JKCでは、いいかげんな交配による毛色の乱れや、それによって先天的異常を持つ個体が生まれるリスクを減らすことなどを目的に、さまざまな犬種の公認カラーを定めています。ポメラニアンの公認カラーは全部で13色あるので、一色ずつ見ていきましょう。
オレンジ
オレンジは“ポメラニアンの毛質を最も美しく見せる色”といわれています。ポメラニアンを代表する毛色ともいえるでしょう。
レッド
オレンジよりも赤みが強く、よりエレガントな印象を与えてくれる毛色です。毛艶もよく美しいため、根強い人気があります。
ホワイト
ホワイトも昔から日本で愛されている定番の毛色。祖先であるスピッツの毛色が白いことを考えると、この色がポメラニアンに似合うのにも納得がいきますね。
クリーム
こちらも古くから愛されている毛色です。ベージュのようなこの毛色は、柔らかく上品な印象を持たせてくれます。
ブラウン
名前のままの茶色い毛ではありますが、比較的色味が濃くダークな印象の毛色です。レアカラーであるチョコレートとよく似ています。
チョコレート
ブラウンと比べると薄めの印象です。チョコレートは繁殖が非常に難しいため、レアカラーといわれ、ほかの毛色と比較すると価格も高くなります。
ブラック
引き締まった印象を与える毛色です。もともと海外での人気が高く、繁殖も難しいことから、日本での希少価値は高めです。
ブルー
一見するとブラックに見えますが、ブラックと比べるとグレーがかっているのが特徴です。年齢とともに色が薄くなることも多く、交配が難しいためレアカラーとされています。
ビーバー
動物のビーバーに似た色味ということから、この名前がつけられています。濃いクリームのような色味で、こちらも交配が難しくレアカラーと考えられています。
オレンジ・セーブル
オレンジと黒の二色からなる毛色です。オレンジをベースに毛先が黒くなっていて、“タヌキのような”と表現されることも。
ウルフ・セーブル
こちらもオレンジ・セーブルと同様、二色からなる毛色です。クリームをベースに毛先が黒くなっていて、名前の通り狼のようなカラーリングが特徴です。
パーティ・カラー
ホワイトをベースに、ブラック・オレンジ・ブラウンなどが、一色ないしは二色入った毛色です。個体ごとに模様も異なり、色の組み合わせも多様なので、個性的な毛色が楽しめるでしょう。
ブラック・タン
黒をベースに褐色(タン)が入っている毛色です。目の上や顔まわり、胸などに模様があるものが多く、かなりのバリエーションがあるため、個性が光ります。
毛色の説明の中でも少し触れましたが、交配が難しい毛色の場合は価格が上がることがあるようです。一般的なペットショップでは、クリームやオレンジといった定番の毛色の個体が228,000円前後(※)で取り扱われているようなので、迎え入れる際の目安にしてみてください。
※2018年11月、生後3カ月(メス)についてペットショップAの例(いぬのきもちWEB編集室調べ)
ポメラニアンの毛色を選ぶ際の注意点や非公認カラー
毛色を選ぶ際の注意点
前述通り、JKCが示すポメラニアンの公認カラーは全部で13色。そのほかの毛色は「非公認カラー」とされ、その個体を用いた繁殖には細心の注意を払う必要があります。毛色を選ぶ際は公認カラーであるかということを、一つの判断材料にしてみるのもいいかもしれません。
しかし、非公認カラーだからといって、命の価値が下がるということはあり得ませんし、公認のレアカラーだから幸せが確約されるわけでもありません。犬と幸せな関係を築けるか否かの判断材料には、毛色よりももっと大切なことがあるということを忘れないでください。
ポメラニアンの非公認カラー《マールカラー》って?
大理石のようなまだら模様をしているマールカラー。その珍しさや美しさからレアカラーとして扱われ、高値で市場に出回ることもあります。しかし、このマールカラーを発現させる遺伝子は、毛色に変化をもたらすだけでなく、そのほかの正常な体の部分にも異常な変化をもたらすおそれがあるとされ、非公認カラーに定められているのです。
また、マール同士を掛け合わせると、高い確率で聴覚や視覚に異常を持った個体が生まれてくることから、奇形などの先天異常を防ぐため繁殖に用いないことが前提とされています。しかし、高値で取引されることがあるため、悪徳ないしは無知なブリーダーがマール同士での繁殖を行うことも。最近では正しい知識が周知されてきていますが、注意してください。
ポメラニアンの人気の毛色や性格について飼い主さんに聞きました!
「いぬのきもちアプリ」では、ポメラニアンの飼い主さんにアンケートを実施し、人気の毛色について調査をしました。ここではそのアンケート結果をご紹介します。
人気の毛色No.1は?飼っているポメラニアンの毛色について調査!
上のグラフを見ると、1位「クリーム(33.3%)」、2位「オレンジ(25.9%)」が、3位の「ブラック(7.5%)」とは、大きく差をつけていることがわかります。やはり古くからある定番の毛色は、人気のようですね!
ポメラニアンってどんな性格?
毛色によって性格が変わる犬種もいるようですが、ポメラニアンの場合は、毛色によって性格が変わるかどうかは、あまりよくわかっていません。そこで、同アンケートでは、ポメラニアンの飼い主さんに、愛犬の性格について聞いてみたところ、上のグラフのような結果になりました。可愛らしい見た目からも想像できる“甘えん坊”な性格の犬が多いようですね!
どんな毛色でもポメラニアンは魅力的な犬種
このように、公認カラーだけでもこれだけ多くの種類があるポメラニアン。単色の中でも微妙な違いがあり、まったく同じ毛色はありません。二色以上の毛色になると、同じ模様の個体を見つける方が難しいといえるでしょう。
ご自身のお気に入りのカラーや模様の個体を探してみるのも、飼う以前からポメラニアンが与えてくれる楽しみの一つといってもよいかもしれませんね!ただし、ポメラニアンは成長につれて毛色が変わることがある犬種なので、その点についてはある程度理解しておきましょう。
今回お話ししたポメラニアンの毛色は、その犬を彩る大切な特徴ではありますが、その命の価値を上げるものでも下げるものでもありません。つまり、家族となる犬を選ぶ際に、もっとも重要視されるべき要素ではないのです。まずは、犬種の特性や性格、どんな病気にかかりやすいのかなど、ともに暮らすうえで必要な情報について理解することが大切ですよ。
参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『画像集付き!ポメラニアンの性格って?ミックス犬や性別で変わるの?』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
監修/平野太陽先生(右京動物病院SAGANO院長)
※アンケート/「いぬのきもちアプリ」『ポメラニアンの飼い主さんに関するアンケート【VOL.59】』より
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。