年齢によって、困りごとが違います
子犬期と比べると、成犬期の犬は警戒心が強くなります。急な変化に慌てることもあるかもしれませんが、愛犬とじっくり向き合って信頼関係を築きながら、徐々に苦手なものに慣れさせていきましょう。今回は成犬期の中でも新たな課題に対峙しがちな、前半期間について触れていきます。
※成犬期前半の目安
小型犬:約8ヵ月~3才、中型犬:約10ヵ月~3才、大型犬:約1~3才
第3位 リードを引っ張る
散歩のたびに愛犬に引っ張られることはありませんか?成犬になると骨格もしっかりしてきて、力強さも増します。しかし成犬になったからといって、強引に引っ張るように変化するわけではありません。子犬のころから少なからずリードを引っ張っていて、飼い主さんがそれに従ったことで「引っ張ったらついてくる」と学習してしまったのです。力強くなった成犬期でも「引っ張ったら、飼い主はついてくる」と覚えているため、より強引に引っ張るようになります。
どうしたらいいの?
この場合、愛犬に主導権を渡してはいけません。引っ張ってもついていかない!と一貫した姿勢をとりましょう。引っ張ったら立ち止まり、愛犬が引っ張るのを止めたら歩き始めます。また引っ張ったら立ち止まる…を繰り返し、「引っ張っても思い通りにならない」ことを教えてください。他にもアイコンタクトを取りながら歩けるようしつけると、強引に引っ張ることはなくなりますよ。
第2位 イタズラをする
通常は成犬期になると好奇心は減り、「色々なことにチャレンジしたい」という行動は減少するはずです。しかし成犬期前半になってもイタズラが続く犬は、子犬期のイタズラがクセになっているのかもしれません。
どうしたらいいの?
飼い主さんに注目させる時間を長く設けると、他のものに興味がいきにくくなります。飼い主さんが触れられる距離まで近づいてきたら、おやつを与えるようにします。そうして「イタズラするよりも、飼い主のそばにいる方が良いことがある」と教えてあげましょう。すぐに与えられるように、家の中でもおやつポーチを持ち歩くと良いですね。
もうひとつ、犬の本能を刺激する遊びで興味をひくのもイタズラの予防になります。愛犬の好きなカミカミおもちゃを用意して、長めの丈夫な紐で結びます。おもちゃを愛犬に見せて、興味を持ったところで遠くに投げます。カミカミおもちゃをくわえたところで紐を引っ張り、愛犬と綱引きをして遊びます。そしてカミカミおもちゃを渡してもらえたら、おやつを与えます。その繰り返しで一緒に遊び、愛犬が楽しく遊んでいるうちに切り上げましょう。
第1位 チャイムや来客に吠える
警戒心が強くな成犬期は、知らない人が自分のテリトリーに入ることを嫌います。そこで「チャイム=知らない人がくる」と学習してしまうと、チャイムが鳴るだけで吠えるようになります。
どうしたらいいの?
チャイムが鳴ってから来客対応をして最中の音を録音しておき、普段から聞かせて慣れさせましょう。聞かせながらおやつを与えると、だんだん慣れて吠えにくくなりますよ。他にもチャイムが鳴ったらすかさずハウスへ入れ、大き目の布で視界をさえぎるのも一つの手。来客を見せないようにして、落ち着かせます。
以上のように子犬から成長して、新たな「困った」が出てくることもあるでしょう。しかし事前にその対処法を知っていたら、戸惑うことなく対応できるそうですね。
出典/「いぬのきもち」18年3月号『年代別 愛犬の困りごとランキング』(監修:東京・世田谷のしつけスクール「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生)
文/ICHINOKI
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。