犬の性格はさまざま。なかでも「甘えん坊」な犬は、どのようなストレスを感じやすいのでしょうか。家庭犬しつけインストラクターの戸田美由紀先生監修のもと、甘えん坊な犬の特徴や感じやすいストレスと、その対処法について解説します。
愛情表現が豊かな「甘えん坊」
甘えん坊の犬は、飼い主さんのことが大好きで、愛情表現が豊か。かまってほしい気持ちを大きく表現し、飼い主さんと一緒にいられるときに幸せを感じるタイプです。抱っこをせがんだり、隣の部屋に移動するときについてきたりすることも多いそう。
かわいいがゆえに甘えん坊の愛犬の要求を聞きすぎていると、わがままになり問題行動が増える可能性もあるので注意しましょう。
甘えん坊な犬はどんなときにストレスを感じる?
長時間ひとりで過ごすとき
甘えん坊タイプの犬は、いつも飼い主さんと一緒にいて、飼い主さんに注目してもらっていたいと思っています。ですから、飼い主さんと離れなくてはいけない留守番の時間は、ストレスを感じやすいでしょう。
飼い主さんと一緒にいるのにかまってもらえないとき
留守番のとき以外でも、同じ空間にいるのに飼い主さんがまったく遊んでくれないとストレスを感じます。飼い主さんとの日々のスキンシップが不足するとイライラが溜まってしまうかも。
大好きな飼い主さんの機嫌が悪いとき
甘えん坊タイプの犬は、飼い主さんとの距離が近いゆえに、飼い主さんのネガティブな感情の影響を受けやすいといわれています。飼い主さんの機嫌が悪いと愛犬は不安に感じてストレスになることも。
甘えん坊な犬へのストレスケア
お留守番は、たっぷり運動させたあと快適な空間で
留守番させることを飼い主さんが不安に思っていると、愛犬も不安になり余計にストレスに感じてしまうかも。
ひとりお留守番時はクレート、トイレ、水を基本のセットに、ひとり遊びができるおもちゃを置いたり、いつもかけている音楽・ラジオを流したりして、愛犬が休みやすい環境で安心して留守番させましょう。さらに、留守番前に長めに散歩をして体力を発散させておくといいでしょう。
愛犬をかまえる・かまえないときのメリハリをつける
飼い主さんと遊ぶことが何よりも好きな甘えん坊なので、時間があるときは声をかけたり、なでたり、たっぷりふれあって。ただし、かまえないときはクレートに入れるなどメリハリをつけるのがよいでしょう。最初は嫌がる場合もありますが、かまってもらえないこともストレスなので、クレートに慣れさせることが結果的にはストレスケアにつながります。
ケンカの様子や悲しんでいる姿を見せない
目の前で家族が言い争っていたり、子どもが叱られていたりする状況は、甘えん坊の愛犬にとって大きなストレスに。ケンカするときは愛犬と別の部屋でするなどの配慮が必要です。
甘えん坊タイプの犬を甘やかしすぎると、「飼い主さんがいないと不安......」と依存心が強くなり、飼い主さんと離れることにストレスを感じやすくなってしまいます。愛犬が大好きなおもちゃを与え、ひとりで遊ぶ時間をつくるなど、愛犬の自立心を高めるように意識して接しましょう。
お話を伺った先生/戸田美由紀先生(日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター ジャパンケネルクラブおよび日本警察犬協会公認訓練士)
参考/「いぬのきもち」2020年10月号『5つの「性格タイプ」がわかれば 愛犬のストレス解消できます!』
文/仲田陽子
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。