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犬から人にうつる病気も!? 細菌が原因の感染症とは

犬にも、ウイルスや細菌などが原因で発症する感染症が少なくありません。
今回は、細菌が原因で発症する感染症と、そのなかでも人にうつると危険な病気を、獣医師の野矢雅彦先生に伺いました。

細菌が原因の感染症とは?

獣医師とハスキー犬
Ivan-balvan/gettyimages
細菌とは、小さな微生物でウイルス類よりは大きいですが、人の目には見えません。病原体に感染した犬の排泄物に触れたり、感染した犬が使用している食器を共有したりすることで感染します。
また、犬から人にうつる感染症も多いため、感染症の種類や症状を知っておくことがとても大切です。

細菌が原因で感染する怖い病気

座っているチワワ
Ratchat/gettyimages

ブルセラ症

「ブルセラ症」は、犬の性病で、感染した犬の母乳や胎盤、排泄物、感染した犬との交尾などが原因になることも。メスは流産を繰り返す、オスは睾丸炎を起こすなどの症状が現われます。
「最近では、悪徳業者の多頭飼育崩壊などで、ブルセラ症に感染している犬が出ているようです。保護犬を迎える際は、とくに注意しましょう」(野矢先生)。

ブルセラ症は人に感染すると、流産や不妊症の原因になることがあります。飼い主さんが妊娠した場合は、人も愛犬もブルセラ症の抗体検査をしておくと安心です。

犬レプトスピラ

「犬レプトスピラ」は、ネズミのオシッコが感染源となる病気です。突然の発熱や黄疸、元気がなくなるなどの症状が出ます。
レプトスピラは水中や湿った場所で数カ月生きる細菌なので、川や沼などの水辺で感染してしまう場合も。また、洪水のあとは汚泥の中に菌が含まれていることがあるため、洪水後の散歩時は汚泥の上を歩かないように注意しましょう。

犬レプトスピラは、感染した犬のオシッコが原因で人にうつることがあります。突然の高熱や筋肉痛などの症状が出て、重症化する場合も。
感染した犬が回復しても、しばらくはオシッコから細菌が排出され続けるので、排泄物を処理する際は慎重に。

膿皮症

犬の皮膚に常在しているブドウ球菌が増殖して起こる「膿皮症」。皮膚の赤みやブツブツ、かゆみや脱毛が主な症状です。
皮膚のバリア機能が低下することで発症するため、バリア機能が未熟な4才未満の犬、体の抵抗力が落ちる10才以上の犬、ほかの病気の影響で皮膚のバリア機能が落ちている犬が発症しやすいとされています。

常在菌による病気なので、ほかの犬からうつされることも、ほかの犬や人にうつすこともありません。

犬は無症状でも、人に感染すると怖い感染症

撫でられる犬
Nataba/gettyimages

Q熱

「Q熱」は、マダニなどを経由して犬に感染する病気です。犬は感染しても無症状ですが、人に感染すると急な発熱や関節痛など、インフルエンザに似た症状が現われます。

パスツレラ症

「パスツレラ症」は、多くの犬の口内に存在する常在菌、パスツレラ菌が原因で起こる感染症です。主に、犬に噛まれることが原因で感染します。噛まれた部位が異常に腫れ上がり、強く痛むのが特徴です。
抵抗力の低い人は重傷化しやすい傾向があるので、犬に噛まれたらすぐに病院へ行き、診察を受けましょう。
愛犬だけでなく、飼い主さんにも大きな脅威となる感染症。ふだんから愛犬の体調に気を配り、少しでも変だなと思ったら、早めに動物病院で相談をしましょう。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2022年2月号『犬にも怖~いウイルスの病気があるんです! 気になる新型コロナウイルス情報も 犬の感染症』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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