今はさまざまな家族のカタチがあり、それぞれで愛犬にまつわる困りごとは異なるもの。そこで今回は、ひとり暮らしや子どもがいる世帯など、ライフスタイル別の犬の飼い方の注意点について、しつけインストラクターの川原志津香先生にお話を伺いました。
ひとり暮らしで犬を飼う場合の注意点
入院や仕事の繁忙期でお世話できないときは第三者を頼る
自分が入院することになったり、仕事がいそがしくてほとんど家にいられなかったりするようなら、思い切って友人や親戚、ペットシッターやペットホテルなど、ほかの人の助けを借りましょう。
誰を頼っていいかわからなければ、かかりつけ医に相談してみると、いい預け先を教えてもらえるかもしれません。
愛犬がもし倒れたときのことを考えてカートや訪問医療の準備を
愛犬にもしものことがあって倒れてしまったとき、犬種によっては飼い主さんひとりで抱えて運べないこともあるかもしれません。あらかじめ愛犬を運ぶためのカートや台車を用意しておく、自宅まで来てくれる訪問医療を調べておくなど、ひとり暮らしなら特に事前の準備をしておきましょう。
夫婦ふたり暮らしで犬を飼う場合の注意点
しつけの方法で意見が食い違う場合はよく話し合いをする
しつけに関する相手の考え方に違和感を覚えたら、そのことを忘れたりうやむやになったりする前に、極力その場で話し合いをしましょう。
その際、相手に対して「それは違う!」など否定してはいけません。相手の意見を聞きつつこちらの考え方を提案すれば、話し合いがスムーズに進み、解決策が見いだせるようになります。
共働きの場合は外出時間や帰宅時間に差をつける
仕事の時間を調整できるのなら、愛犬だけで過ごす時間が少なくなるよう、お互いの出勤時間をあえてずらすなどの調整をしてみるといいでしょう。犬の幼稚園など愛犬をお世話してくれるサービスや、見守りカメラなどのアイテムを利用するのもおすすめです。
大人3人暮らしで犬を飼う場合の注意点
人の食べ物を与えてはいけないわけを事前に説明しておく
人と同じ感覚で食べ物を与えてしまう家族がいる場合は、それが愛犬の健康やときに命を脅かす危険もあることを伝え、勝手に与えるのをやめてもらいましょう。
それぞれが自由に与えていいフードを準備しておき、愛犬に何かあげたいと思ったら、そこから与えるようにするといいでしょう。
要求吠えを無視できない場合は予防策をとる
要求吠えは、愛犬に対し「見ない、触れない、声を出さない」の方法で収まるまで無視をし、要求してもムダだと教えます。しかし大所帯だと、愛犬につい声をかけたり、触ったりしてしまう家族も。
そのため、要求する場面がわかっているのであれば、ハウスへ入れて上から目隠しの布をかけるなど、先回りして防ぐのが賢い方法です。
子ども+親の暮らしのなかで犬を飼う場合の注意点
子どもと犬が遊ぶときは保護者がつきそいをする
じゃれて歯を当ててきた愛犬に対して、子どもは騒いだり逃げ回ったりしがちです。すると愛犬はかまってもらえたと勘違いし、もっと噛んでしまうように。ケガや事故につながってしまうので、子どもと愛犬だけで遊ばせないようにしてください。
大人も含めて遊ぶときは、愛犬をときどきハウスさせるなど、興奮する前に行動の制御を行いましょう。
子どもには大人の補助など、お世話風のことをしてもらう
愛犬のお世話をしたがる子どもは多いですが、まだきちんとお世話できるわけではないので、愛犬に痛い思いや嫌な思いをさせてしまうこともあります。子どもの気持ちをくんでお世話させる場合は、大人がしていることの補助的なことをさせるようにしてください。
家族のカタチは違っても、愛犬に対するしつけやお世話の必要性は同じです。家族や周囲の人と相談しながら、それらのニーズを満たせるよう工夫してみましょう。
お話を伺った先生/川原志津香先生(「Can!Do!Pet Dog School」専任しつけインストラクター)
参考/「いぬのきもち」2020年3月号『家族のカタチ別 困りごと直しのコツ!』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。