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熊本地震で停電と断水……被災体験者が伝えたい、あってよかった防災用品

地震大国であり、風水害も増加している昨今。災害に備え、愛犬を守るために準備をし、心構えをもつことは飼い主の責務です。被災体験者の教訓に触れ、防災のための「備え」を見直しましょう。今回は、愛犬と2016年の熊本地震を体験した飼い主さんの貴重な声をお届けします。
撮影/伊東武志
撮影/伊東武志

パニックに陥る愛犬に、ハーネス装着さえも大変だった

<DATA>
災害●2016年4月16日 熊本地震
被災状況●就寝中に被災。揺れで家具や物が倒れ、部屋は足の踏み場もないほどに。停電と断水。強い余震が続く
被災時の世帯構成●本人、夫、愛犬1頭
愛犬の年齢(被災時)●1才
避難状況●3週間、小学校のグラウンドで車中泊
1才のときに熊本地震に遭った衣ちゃん(メス・7才/ビーグル)

持ち運べるクレートが愛犬の安心感につながった

「震災の瞬間は、夫と愛犬の衣と寝室のベッドで寝ていました。体が浮くほどの大きな揺れで、ひっくり返ったタンスや空気清浄機、鏡台などで部屋は足の踏み場もない状態。電気も消えた真っ暗闇の中、夫と衣を必死で呼びました」
 
そのとき、衣ちゃんはベッドと壁の隙間で震えていたそう。津波注意報も出たことから、旦那さんが衣ちゃんを抱きかかえ、まずは身ひとつで逃げることに。

「逃げ出すことに不安があり、2人がかりで衣に名札のついた首輪とハーネスをつけようとしました。でも衣はパニックで暴れて、ハーネスの着用だけでもだいぶ時間がかかったのを覚えています」
 
震災後は頻発する余震を恐れ、3週間ほど小学校のグラウンドで車中泊をしながら避難生活を送りました。その際、役に立ったのが持ち出したクレート。
「衣はクレートが苦手でしたが、怖い思いをしたことで『クレートは安心できる場所』と理解したようでした。避難中も、クレートの中だと安心して朝まで眠ることができていました」

【あってよかった備え】

備蓄品は持ち出しやすい場所に

「避難に必要なものは、玄関などわかりやすい動線上に置くことでスムーズに。備蓄品は少し多めを心がけています」
「避難に必要なものは、玄関などわかりやすい動線上に置くことでスムーズに。備蓄品は少し多めを心がけています」

クレートは必須!

「犬にとって安心できる場所があることはとても大切だと痛感しました。怖がっていた衣もクレートの中では安心」
「犬にとって安心できる場所があることはとても大切だと痛感しました。怖がっていた衣もクレートの中では安心」

【あったらよかった備え】

何かと使える消耗品各種

「食器はほとんど割れてしまい、人にも犬にも紙皿があればよかった。ポリ袋などの消耗品も何かと必要になります」
「食器はほとんど割れてしまい、人にも犬にも紙皿があればよかった。ポリ袋などの消耗品も何かと必要になります」
クレート以外にも、すぐに避難できる場所を家の中に用意
クレート以外にも、すぐに避難できる場所を家の中に用意
避難先の小学校の前にて
避難先の小学校の前にて
実際に震災を体験した飼い主さんのお話は、ふだんの防災の備えを見直すよいきっかけになるはず。この機会に、ぜひ足りないものの用意や、できていないトレーニングにトライしてみてくださいね。
お話を伺った方/熊本県 R.O.さん
参考/「いぬのきもち」2022年9月号『本当に必要な防災の備え』
写真/伊東武志
写真提供/R.O.さん
文/川本央子
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