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豪雪で自宅から出られなかった4日間、飼い主さんと愛犬を守ってくれた備えとは?

地震大国であり、風水害も増加している昨今。災害に備え、愛犬を守るために準備をし、心構えをもつことは飼い主の責務です。被災体験者の教訓に触れ、防災のための「備え」を見直しましょう。

今回は、2014年の豪雪で4日間自宅から出られなかった飼い主さんの貴重な声をお届けします。

4日間自宅に閉じこめられ、室内で排泄する習慣の大切さを痛感しました

山梨県 H.N.さんとともに豪雪による孤立を経験したまゆみちゃん(享年15才)とほまれちゃん(10才)ともにメス・ボーダーコリー
山梨県 H.N.さんとともに豪雪による孤立を経験したまゆみちゃん(享年15才)とほまれちゃん(10才)ともにメス・ボーダーコリー
<DATA>
被災●2014年2月14日 関東豪雪
被災状況●140cm以上の積雪により、4日間自宅に閉じ込められる
被災時の世帯構成●本人、妻、愛犬2頭、預かり犬2頭
愛犬の年齢(被災時)●まゆみ8才、ほまれ2才
避難状況●避難なし ※豪雪により自宅に閉じ込められる

協力して除雪に励む 近隣同士のつながりも大切

2014年の関東豪雪のとき、H.N.さんの暮らす地域は観測史上最深の積雪を記録。就寝前にはすでに床面より高い積雪が確認できたそうで、翌朝には、その深さは140㎝以上に。雪はやんでいたものの、家は雪の壁におおわれ、外に出られない状態だったそう。
「勝手口の先にある軒下分の小さなスペースだけが雪のない場所でした。そこから除雪を開始し、車を掘り出すのに丸2日かかりました。それから近所の方々と協力し、幹線道路までを除雪するのにさらに丸2日……」
観測史上最深の積雪を記録した朝。一帯は120人ほどの小さな集落のため、テレビやラジオからの情報もなく、社会から孤立し被災したことを自覚したそう
観測史上最深の積雪を記録した朝。一帯は120人ほどの小さな集落のため、テレビやラジオからの情報もなく、社会から孤立し被災したことを自覚したそう
届くはずだったドッグフードも豪雪で配達されず、発送元に依頼して留め置きしてもらった隣県の営業所にピックアップに行けたのは、家に閉じこめられた日から1週間後。当時預かっていた2頭も飼い主のもとに戻すことができなかったのでフードが足りなくなってしまい、隣家に分けてもらったキャットフードでしのいでいたといいます。とはいえ、4頭の犬たちはいつもと変わりなく家の中で過ごしてくれていたそう。
「しつけの仕事をしていることもあり、室内での排泄など、屋内で過ごすことに慣らしていたのもよかったんだと思います」
 
除雪後は、雪が玉のように固まって毛に付着するのを防ぐため、4本の足をカバーするドッグガードを着用させつつ、散歩にも出ることができるようになりました。
「洋服も嫌がらないよう慣らしていたのですが、そういうしつけも役立つことを実感しましたね」
雪でおおわれた自宅。勝手口の軒下のスペースから除雪を開始
雪でおおわれた自宅。勝手口の軒下のスペースから除雪を開始
近隣とのつながりと助け合いがいかに大切かも実感
近隣とのつながりと助け合いがいかに大切かも実感

【あってよかった備え】

●室内で排泄する習慣
「大型犬でも1日1回は必ず室内でオシッコをさせるようにしています。その大切さを実感した被災でした」
「大型犬でも1日1回は必ず室内でオシッコをさせるようにしています。その大切さを実感した被災でした」
●全身をカバーする服
「雪玉が付着しないようにするための、全身をカバーする防水・防寒ウエア。ふだんから慣れさせていました」
「雪玉が付着しないようにするための、全身をカバーする防水・防寒ウエア。ふだんから慣れさせていました」
●万全な雪への備え
「役立った防寒用装備や雪かき用具も再度確認し、予備も含めて準備。スコップも複数種類があるといいです」
「役立った防寒用装備や雪かき用具も再度確認し、予備も含めて準備。スコップも複数種類があるといいです」
実際に震災を体験した飼い主さんのお話は、ふだんの防災の備えを見直すよいきっかけになるはず。この機会に、ぜひ足りないものの用意や、できていないトレーニングにトライしてみてくださいね。
お話を伺った方/山梨県 H.N.さん
参考/「いぬのきもち」2022年9月号『本当に必要な防災の備え』
写真提供/H.N.さん
文/川本央子
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