愛犬を飼い主さんの指示に従えるようにすることは、人間社会でともに暮らしていくために必要不可欠なこと。今回は、愛犬を迎えたら必ず教えておきたい指示しつけのなかから「マッテ」と「フセ」の必要性と役立つシーンについて、しつけトレーナーの西川文二先生に教えていただきました。
【フセ】愛犬が楽な姿勢で落ち着けるようにする
犬が休む体勢でもある「フセ」は、足腰に負担がかかりにくく、長く続けやすいのが特徴。体高が低くなるので犬が苦手な人にも恐怖心を与えにくいです。「オスワリ」と同様、体の動きが止まることで犬が落ち着けるので、ぜひマスターしましょう。
フードを握ったグーの手を、犬の鼻先から前足の間におろします。ゆっくり真下におろして犬が頭を下げるよう誘導しましょう
「フセ」はドッグカフェでも使える!
フセで待てると愛犬もラク
ドッグカフェで食べ物を欲しがらずにおとなしく待っていてほしいときは、愛犬が楽な体勢で待てるフセの指示を。家でも食事のたびに練習すると、外で実践しやすいです。
【マッテ】同じ場所、同じ姿勢で待てるようにする
人が食事をしている間や信号待ちの間など、じっとしていてほしいときに、同じ場所、同じ姿勢で待つ「マッテ」ができると、おねだりをして飛びついたり、道路に飛び出すといった困りごとや危険な行動の防止に。愛犬との生活に必ず役立つしつけです。
「マッテ」と言いながら犬の頭の前に手のひらを出すハンドシグナルをつけるようにしましょう
扉を出るときに「マッテ」
飛び出し対策に
扉から出るとき、愛犬が外に飛び出してしまうと危険。扉を開ける前に「マッテ」を指示して、飼い主さんが外の安全を確認してから愛犬を外に出させるようにして。
交差点を渡るときに「マッテ」
安全に渡るために有効
愛犬が飛び出すと事故の危険性もある交差点では、渡るときに「マッテ」をさせて安全を確認してから渡る習慣を。信号待ちの間は、時折フードを与えて「マッテ」をキープ。
愛犬が飼い主さんの指示に従って動きを止めたりそばに来られるようになると、日常生活のあらゆるシーンで安心して行動をともにすることができ、活動の幅も広がります。
指示しつけのトレーニングは、犬と人が安全で快適に、互いにストレスなくともに暮らすための手段。日常生活で積極的に活用していくことで、生活そのものが指示しつけの習慣やブラッシュアップになりますよ。
お話を伺った先生/Can ! Do ! Pet Dog School代表 西川文二先生
参考/「いぬのきもち」2022年8月号『はじめてしつけコンプリートドリルvol.6 指示しつけ』
写真/殿村忠博
文/いぬのきもち編集室