「おむつ」はシニア犬のためのものだと思っていませんか? おむつはお出かけ先でのマナーとしてや、オシッコの「ついうっかり……」を防ぐための便利グッズとして、子犬や成犬を含む全世代の犬に、積極的に使っていただきたいアイテムだからなんです。そんな便利アイテムである「おむつ」の正しい選び方やはかせ方などについて、ペットケアサービスLet'sの代表である三浦裕子先生に教えていただきました。
犬用おむつは「腰回り」サイズで選ぼう!
犬用おむつは腰回りでテープ留めします。そのため、腰回りのサイズを基準に選ぶとよいでしょう。おむつに書いてある適応体重は参考程度にしつつ、おむつの試着ができるペット用品店もあるので、試しばきしてから確実です。
※商品によっては、胴回り(前足のつけ根と後ろ足のつけ根の中間部分)のサイズで選ぶものもあります。
撮影/尾﨑たまき
おへそのあたりの周囲が「腰回り」です。前足のつけ根から後ろ足のつけ根までの間で、後ろ足側から1/3付近の周囲を測りましょう。なお、おむつは伸縮性がありますので、測る位置が多少ずれても大丈夫です。
ちなみに、もし購入したおむつのサイズが合わなくても大丈夫! 大きすぎた場合は、1枚を内側に重ねて使えば、多少大きくてもズレたりもれたりしにくくなります。排泄後は、内側の汚れたおむつを交換すれば無駄なく使いきれますよ。小さすぎた場合は、買い直した正しいサイズのおむつの内側に、小さすぎるほうのおむつを重ねて使いましょう。2枚重ねになるので、もれを防ぎやすくなります。
犬用おむつ(パンツ型)のスムーズなはかせ方
ここからは、出先でもパパッとできる、犬用おむつの簡単なはかせ方をご紹介します。まずはパンツ型のはかせ方から見ていきましょう!
1.おむつを広げてギャザーを立てる
折りたたまれた跡がついたままだとはかせにくいので、最初におむつを広げます。両端のテープの先も開き、股ぐりに当たるギャザー部分は、指で広げながら全体を立てましょう。
撮影/尾﨑たまき
2.テープがない側を背中に当てて、穴にしっぽを通す
次に、しっぽを穴に通して、おむつのテープがない側を背中に当てます。このとき、愛犬が動き回らないよう、自分の隣に後ろ向きで立たせたら、ひじ全体で軽く愛犬の体を押さえるようにしながら行うとよいでしょう。
撮影/尾﨑たまき
3.背中側をしっかり広げて体に密着させる
背中に当てたおむつの左右をしっかり広げて、背中全体に密着させます。元に戻らないよう、広げたら指で押さえておきましょう。
撮影/尾﨑たまき
4.テープ側で陰部とおなかをおおい、背中でテープ留めする
陰部とおなかをおむつでおおい、両端のテープを背中に回して留めます。このとき、3で背中に密着させたおむつは、しっかり広げたままテープで留めましょう。留める際の腰回りの調整は、指1本が入る程度を目安にしてください。
撮影/尾﨑たまき
犬用おむつ(ベルト型)のスムーズなはかせ方
続いては、ベルト型(オス用)のおむつのはかせ方を見ていきましょう。なお、前後の設定がないおむつもありますので注意してください。
1.おむつを広げたら、中央を少したわませて溝を作る
全体を広げたら、中央部分を軽くたわませて、陰部を沿わせる目印にする「溝」を作ります。また前後のギャザーを広げるようにして立てて。とくに陰部の先が当たる側をしっかり立てましょう。
撮影/尾﨑たまき
2.溝に陰部を当てて、端を引っ張り密着させる
1で作った、おむつの中央の溝に陰部を沿わせるようにしておむつを当てたら、端を軽く引っ張って体に密着させましょう。正座した飼い主さんの足の上を愛犬にまたがせた状態ではかせれば、愛犬が動き回りにくくなります。
撮影/尾﨑たまき
3.背中でおむつを留めて、前後の端を折りこむ
テープがない側を軽く引っ張りながら、テープ部分に上から貼り合わせて全体を留めます。仕上げに、留め口の端を内側に折り込むことで、おむつをはずれにくくするのと同時に見た目も整えましょう。
撮影/尾﨑たまき
いろんなシーンで活躍させて!
撮影/尾﨑たまき
いかがでしたか? 最近では、犬連れOK施設であっても、マナーとして犬用おむつの着用が必須条件になっている場所もあります。メス犬の発情期(ヒート)対策のほか、マンションの共用スペースでのトラブル防止などにも活躍してくれる便利なアイテムですので、ぜひ今日から活用してみてくださいね。
お話を伺った先生/ペットケアサービスLet's代表、JAPANペットケアマネージャー協会主宰、老犬介護スペシャリスト 三浦裕子先生
参考/『いぬのきもち』2021年3月号「犬用おむつ どう選ぶ?どう慣らす?」特集
撮影/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室