正しいと思ってしていた愛犬のお手入れが、じつは間違っていたなんてことがあるかもしれません。人の体の構造とは違うため、より気を遣ってお手入れをしていくことが大切です。今回は足と爪の間違ったお手入れ、正しいお手入れ方法について、獣医師の石田陽子先生に教えていただきました。
爪の勘違いお世話
犬は真皮に血管と神経が通っています。とくに黒い爪の犬の場合、血管や神経がどこまで通っているのかわかりづらいでしょう。そのため、人の爪を切るような感覚で爪を深く切ってしまうと、出血させてしまうおそれがあるので注意が必要です。
足の勘違いお世話
犬の足を拭くときに、犬の足の関節を無視してはいませんか? 膝や足先の関節が曲がる向きを気にせず、飼い主さんが拭きやすい角度で足を拭いてしまうと、脱臼や骨折をさせてしまうおそれがあります。股を後ろから開かせすぎてしまうと、股関節に痛みを与えてしまうのでNGです。
どんなふうにお手入れしてあげるといいの?
正しい爪のお手入れ
爪を切る際に痛みを与えてしまうと、お手入れ自体を嫌がるようになってしまうことがあります。そのため、無理にケアをせず、トリマーなどプロの方にお任せするといいでしょう。
正しい足のお手入れ
足を拭く場合はまず、片手でかかとの下あたりを優しく持ち上げます。そして、濡れたタオルを肉球に押し当てて、汚れをふき取ってあげましょう。
犬は足の指の骨である未節骨という部位だけを地面につけて歩いています。そのため、常につま先立ちのような状態で、地面からの衝撃は肉球で受け止めているのです。それだけ負担がかかっている足を、正しい方法でできるように注意しながら、しっかりとお手入れしていきましょう。
お話を伺った先生/石田陽子先生(獣医師 「石田ようこ犬と猫の歯科クリニック」院長)
参考/「犬のきもち」2021年9月号『2021年9月号『カンチガイばかりのお手入れは病気の原因に!体のしくみを見てわかるお手入れ』
文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。