犬にとって外の環境は、家の中よりも犬本来の行動が出やすくなります。ニオイかぎや、ほかの犬とのコミュニケーションなどの意味合いもある散歩は、犬の本能を満たすことができる時間。そのため、散歩から帰宅した直後も、飼い主さんが「なぜ?」と思うような行動をすることが。今回は、そんな犬の“フシギ行動”について獣医師の増田宏司先生に伺いました。
散歩から帰ってくると部屋の中を駆け回る!
散歩から帰ってくると部屋の中を駆け回るのは、楽しすぎた散歩の興奮がさめやらぬ状態にあるからでしょう。飼い主さんは「散歩の量が足りなかったのかも?」と思ってしまうかもしれませんが、愛犬からすると「超楽しかったー!」といったところかも。
散歩がとにかく楽しかったという気持の表れなので、愛犬と充実した散歩ができているのでしょう!
外から帰って服を脱ぐと、じゅうたんの上でほふく前進する
洋服が苦手な犬の場合は、脱いだときの解放感や、洋服の嫌な感触を払拭するためにじゅうたんの上をほふく前進していると考えられます。「解放されて気持ちいいー!」とリフレッシュしているのかもしれませんね。
散歩で愛犬に洋服を着せる必要がある場合には、慣れさせる工夫をすることでストレスを軽減してあげましょう。
散歩のあと、玄関前に座って家に入らない
散歩から帰ってきても、玄関前に座ってなかなか家に入らないのは、楽しかった散歩が終わるので名残惜しい気持ちになっているから。家に入るといつもの日常に戻ってしまうので、「もう少しだけ、余韻に浸らせて……」と思っているのでしょう。
この行動は、とくに散歩が大好きな犬に見られます。上手な散歩ができている証でもありますよ!
一見不思議に見える愛犬の行動も、理由がわかるとより愛おしく感じるもの。愛犬が、散歩後も楽しかった余韻に浸れるよう、飼い主さんも一緒になって楽しい散歩の時間にしたいですね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2022年4月号『散歩のときどんなことを考えているの? 愛犬のフシギ行動をアテレコしてみた!』
文/小林けい
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※特集の構成上、犬を擬人化した表現をしています。