犬に好かれる人、嫌われる人ってどんな人？　対人ストレスの対策は

女性、男性、高齢者、小どもなど、性別や年齢によって、犬の好みの傾向もある程度見えてきます。今回は「いぬのきもち」読者アンケートをもとに作成したランキングの結果をふまえて、獣医師の増田宏司先生に、犬の人への好き嫌いと対策についてお話を伺いました。

犬に好かれやすいのは成人女性？

【みんなの愛犬のスキランキング】
1位　成人女性
2位　成人男性
3位　高齢者
4位　子ども
5位　幼児
5位　赤ちゃん

アンケートによると、成人女性が好きな犬は29％と人のなかでもとくに成人女性が好かれやすい傾向に。
一方子どもの場合、キライランキングでも上位に上がるなど、低年齢になるほど犬は苦手に感じやすいようです。
また、成人女性が嫌いな犬はわずか2％という結果でした。
比較的物腰が穏やかで声が低すぎない人（＝成人女性）には警戒心をいだきにくく、予想外の動きをする人（＝子ども）は警戒しがちという、犬の特性が反映されていると考えられます。

犬は体が大きいものや低い声は本能的に警戒しやすい

【みんなの愛犬のキライランキング】
1位　子ども
2位　幼児
3位　赤ちゃん
4位　成人男性

先述したように「キライ」だけのランキングでも、上位は子どもです。なお成人男性がスキランキングで2位、キライランキングで4位なのは、犬によって好き嫌いが分かれているからでしょう。
あくまで傾向として、犬が苦手なのは、動きに予想がつかない子どもや、自分より体が大きく、圧迫感や威圧感を与えてくる存在だといえます。

なかには黒い服の人や傘をさしている人、荷物を持った人などを苦手とする犬もいるのはこのためで、ガラガラ声の人が苦手な場合、その音が犬の唸り声を連想させるからでしょう。

犬の対人ストレスはどう減らしたらいい？

対策をとらないまま愛犬を苦手な人にふれあわせ続けると、愛犬のストレスになってしまいます。うまく対処することで、苦手な気持ちを緩和させてあげましょう。

苦手な人が近づいてきたら飼い主さんが盾になる

愛犬が苦手と感じている人が近づいてきたら、相手に失礼がないように注意しつつ、飼い主さんが愛犬と相手の間に入りこみ、愛犬の視界からその人を遮ってあげてください。小型犬であれば、抱っこしたまま体ごと背を向けてもいいでしょう。

愛犬に好かれている人をお手本にする

愛犬が苦手意識を持っている相手が家族や知人の場合、愛犬に好かれている人の特徴を観察し、ノートに書きだすなどしてマネしてみましょう。声の高さや表情、手の使い方など、意外なところにヒントが隠れている場合も。

複数人で散歩してみる

散歩中に通行人を怖がるなど、事前に避けられないケースは、家族やいぬ友などの数人で散歩するのもひとつの手です。好きな人が複数寄り添ってくれれば心強くなり、苦手な気持ちが薄まりやすくなるでしょう。

犬が好きな人、嫌いな人の傾向には理由があると分かりました。どういった行動や特徴が犬に苦手意識を抱かせるのかを知ると、飼い主さんとより親密な関係を築く手助けや、対人関係でのストレスを減らしてあげることにつながるでしょう。

お話を伺った先生／増田宏司先生（獣医師獣医学博士東京農業大学農学部動物科学科（動物行動学研究室）教授）
参考／「いぬのきもち」2021年5月号『音・場所・時間…… スキキライがわかれば愛犬はストレスフリーになる！
』
文／田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※掲載している「スキ・キライ」アンケートは、「いぬのきもち作り隊」の読者へのアンケート（計220人、2020年12月～2021年1月実施）を集計した結果です。