犬と暮らす
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愛犬を守れるのは飼い主さんだけ。大規模災害に備えて知っておきたいことは
「避難場所での暮らしはどんな感じ?」
「大勢の人が集まる場所では、どうしたらいいの?」
など、気になることがたくさんあると思います。今回は、愛犬を連れて同行避難する際に知っておきたいことを、くわしく解説します。
愛犬を守るのは自治体ではなく、飼い主さん自身
では当然、各自治体は愛犬の受け入れもOKでペット用の備蓄もあるのかというと、必ずしもそうではないないよう。
理解や対策は進みつつありますが、まだまだ各自治体の対応にはバラつきがあり、そのときの状況しだいということが多いといえます。
災害の現場では人命の救助が優先されます。そんななかでペットを救えるのは、ほかでもない飼い主さん自身ということを、胸に刻んでおきましょう。
check1:最寄りの避難所と集合場所を家族で話し合っておく
実際に、家族や愛犬と一緒に避難所まで行く訓練をしておくと安心です。
check2:愛犬を連れた避難方法の再確認を
小型犬はキャリーバッグに入れて、中~大型犬はリードを飼い主さんの肩から斜めにかけたり腰に装着を。
万が一避難の途中で揺れがきて、愛犬がとっさに逃げようとしたときでも、体ごと犬を止めることができるのでより安全です。
check3:愛犬の健康状態を気にかけて、適切な手当てを
すぐに動物救護所などに相談するようにしましょう。
→脱水症状を起こしている可能性も
②“あっかんべー”したときのまぶたの裏や、歯ぐきの状態をチェック。目や口の内側が白くなっている。
→貧血の症状が疑われる
③「食べなくなる」「震えている」「目がうつろ」「よだれが多い」などの症状がある。
→ショック症状や熱中症などが疑われる
check4: 飼い主さん同士で「助け合う」姿勢を
被害が少なかった人の家に動物を預け、物資を持ち寄って共同で動物の世話をする、などの助け合いで乗り切ったケースもあります。
避難所で動物の受け入れがNGだったら、どうする?
飼い主さん同士が助け合って、どれだけ運営に協力できるかにかかっています。
check5:“自助努力”が求められる
自治体職員やボランティアの方も、まずは避難してきた“人”への対応で精いっぱいと考えてください。
ペットにまつわる避難所運営の中心は、動物を連れてきた飼い主さんたちです。
飼育場所の管理も自分たちで
飼い主さん同士が協力して、ペット飼育スペースを定期的に掃除したり、排泄場所を消毒したりなどまわりへの配慮を示しましょう。
トラブル1:吠えによる騒音
トラブル2:ニオイ
学校や公園が避難場所になる場合は多くありますが、子どもが集まる遊具の付近や、手洗い場などの近くでの排泄はさせないように配慮して。
トラブル3:抜け毛
迷惑のかからない場所でブラッシングするなど、抜け毛がまわりの迷惑にならないような対策をしましょう。
トラブル4:動物アレルギー、動物が苦手な人への配慮
出入り口なども動線を分け、できる限り動物が苦手は人に近づかないよう対応したいものです。
飼い主さんの身に何かあったら……そのとき、愛犬はどうなるの?
その後、復興が進んでなんとか生活を立て直し、再び飼い主さんと一緒に暮らせるようになって引き取られていくケースもあれば、譲渡先を探して新しい飼い主に引き取られていくなどさまざまです。
万が一に備えて、ペット信託などのサービスも検討してみよう
また、あらかじめ用意しておいたお金を、新しい飼い主さんや世話をしてくれる人のために定期的に渡して、そのお金で面倒を見てもらう「ペット信託」などのサービスもあります。
飼い主さんに万が一のことがあった場合でも、愛犬の幸せな生活を守りたいものですね。
さまざまな状況を想定して、“あなたと愛犬”の防災マニュアルを考えよう
住んでいるのは都会か田舎か?
飼っているのは大型犬か小型犬か?
いつも家族といるのか、留守番が多いのか?
……など、自分自身と愛犬を取り巻く状況を深く掘り下げて考えて、あなたの家族オリジナルの「防災マニュアル」を作り上げておくのがベターです。
(監修:人と動物の防災を考える市民ネットワーク特定非営利活動法人ANICE(アナイス)代表 平井潤子先生)
文/Honoka
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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