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生理現象には病気が潜んでいる? 犬の「涙が出る」「咳が出る」「げっぷが出る」
涙が出る
涙は目の表面を保護するために常に分泌されています。また、目にゴミが入る、傷がつくなど目の表面に痛みや刺激が加わると、分泌量を増やして刺激物を外に出そうとします。涙は目と鼻をつなぐ鼻涙管という細い管を通って鼻の中に排泄され、鼻水の一部となります。
こんなときは注意!
突然涙がたくさん出はじめる、ふだんに比べて出る量が圧倒的に多く、さらに目をしょぼしょぼさせているときは、異物混入などによる角膜炎や緑内障、全身性ウイルス感染症などの可能性も。目は代用品がなく、緑内障や角膜潰瘍など早期に失明につながる病気もあります。できるだけ早めの受診が大切です。
●目ヤニが多い
涙とおなじく目を保護するために分泌される物質が、目ヤニ。目に外から刺激が加わるとその刺激物を排除するために分泌されますが、刺激物の種類によって色や量は変わります。ちょっとした刺激であれば色は白か黒ですが、細菌が刺激しているときは黄色や緑色などに。寝起きに白い目ヤニがたくさん出るときは、涙が分泌されず目が乾いてしまうドライアイの可能性も。
咳が出る
生理現象のなかでも咳は少し特別で、咳が出ている状態のほとんどが「異常がある」と考えます。心配がない咳は、通常「むせ」といわれるもの。突然大きく口を開けて、1回ないし2回程度、「ゲホォ」と何かを吐き出すような咳です。多くは数分以内におさまり、その後、咳も出ず普通にしていれば心配いりません。
こんなときは注意!
咳はのどか気管支に異物や炎症などの刺激が加わったときにそれらを排除するために起こるものです。多いのは咽喉頭炎や気管支炎。ほか、慢性心不全からくる咳や、気管虚脱といって呼吸のたびに気管が扁平化してしまい、そのたびに咳が出るものもあります。
げっぷが出る
胃にたまったガスがお尻から出たものがおならで、口から出たものがげっぷです。ガツガツとごはんを食べるコは空気もいっしょに飲みこんでいることがあり、それだけげっぷも多くなります。そのため食後に多く、回数が多くなければそこまで心配する必要はありません。
こんなときは注意!
注意したいのが、ニオイと回数です。鼻を突く嫌なニオイがするときは、胃炎、胃の腫瘍が疑われます。また、何か異物を飲みこんでしまい、異物が胃にとどまり、発酵しているようなときもげっぷの回数は多くなり、ニオイもきつくなります。臭いげっぷが繰り返し出ているときは、動物病院で診てもらいましょう。
参考/「いぬのきもち」2022年11月号『病気が潜む生理現象』
イラスト/五嶋直美
文/川本央子
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