「オシッコをトイレシーツからはみ出す」「外でしか排泄しない」など、トイレのお悩みは子犬期だけのものと思っていませんか? じつは1才以上のおとな犬でも、トイレにまつわる悩みは意外と多いもの。しかも子犬期とは異なる理由が原因になっていることもあるんです。
そこで今回は、おとな犬のトイレにまつわるお悩みについての対処法や注意点などを、家庭犬しつけインストラクターである荒井隆嘉先生に教えていただきました。
みんなのお悩みは?
「いぬのきもち」がベテラン飼い主さんに対して実施したアンケートでは、おとな犬の飼い主さんのトイレにまつわるお悩みは下記のようになりました。
1位 オシッコ・ウンチをはみ出す
2位 トイレ以外で排泄する
3位 外でしか排泄しない
4位 食フンする
それぞれの対策について、対処法を見ていきましょう!
オシッコ・ウンチをはみ出す犬の原因と対策は?
アンケートによると「トイレで排泄はするものの、足を上げてするのではみ出てしまいます」(オス・5才/チワワ)、「前足はシーツの中なのに、お尻がシーツの外なので毎回はみ出します。胴長犬なのでしかたないのでしょうか?」(メス・4才/カニーンヘン・ダックスフンド)などのお悩みがあがっていました。
荒井先生によると、考えられる原因は「トイレの環境」にあるとのこと。排泄をするとき、自分の足がオシッコで濡れることを嫌がる犬は意外と多いため、愛犬のサイズに合わない小さくて薄いトイレシーツを使っている場合は、オシッコの広がりが速く、踏ん張りもききにくいので足が濡れやすいそうです。
対策①厚手かつ大きめシーツで足濡れ&はね返りを予防する
もし足が濡れるのを嫌がっていそうな犬なら、トイレシーツを厚手かつ大きめのものに替えてみましょう。オシッコをしっかり吸収できれば、広がりやはね返りが防げるので、愛犬の足が汚れにくく、はみ出し防止に効果的です。また、厚手のシーツだと踏ん張りもききやすいので、ズレてはみ出ることも防げます。
対策②大きくまわりを囲んで自由度の高いトイレにする
シーツの隅で排泄したがる、足を上げて排泄するなど、排泄スタイルにこだわりがありそうな愛犬なら、シーツを複数枚敷き、排泄可能なスペースを広げるのがよいでしょう。愛犬がどんなスタイルでものびのび排泄できるので、はみ出し予防になります。L字形やコの字形など、壁があるタイプのトイレなら足上げスタイルでも安心です。
トイレで排泄しない犬の原因と対策は?
アンケートによると「こそっといなくなったと思ったら、キッチンや寝室で排泄しています」(オス・8才/トイ・プードル)、「シーツが汚れていると、別の場所でそそうします」(オス・4才/パピヨン)などのお悩みがあがっていました。
荒井先生によると、考えられる原因のひとつに「排泄したら怒られると覚えてしまったこと」にあるとのこと。飼い主さんに過去そそうを注意されたときに、愛犬が「排泄したら怒られるから、飼い主さんに見つからない場所でしよう」と覚えてしまった可能性も考えられるそうです。あとは、単純にトイレが愛犬の好みの環境でないことも考えられます。
対策①決まった場所で繰り返すならそこにトイレを置き直す
キッチンや寝室など、そそうする場所が毎回決まっているのなら、そこが愛犬にとって排泄しやすい環境だということですから、まずはその場所にトイレを置くのがてっとり早い対策です。そこで排泄するたびにほめれば、トイレ自体を排泄する場所と覚えますので、そのあとに元の場所に戻してもよいでしょう。
対策②踏ん張りがきくマットで排泄しやすさを上げる
トイレの場所ではなく、トイレ自体を気に入っていない様子なら、愛犬が排泄しやすいトイレに替えましょう。とくにフローリングなどの滑りやすい床にトイレを直置きしている場合は、踏ん張りがききにくく、嫌がる犬も多いです。滑り止め効果があり、かつ撥水性のあるマットをトイレの下に敷くとよいでしょう。
いかがでしたか? 排泄は生きていくのに欠かせない行為なので、犬も人もストレスなくできるように、まずは環境を見直してあげることが大切です。ご紹介した対策をぜひ試してみてくださいね!
お話を伺った先生/荒井隆嘉先生(犬のしつけ教室「DOGLY」代表)
参考/愛犬との暮らしをもっと楽しむ「いぬのきもち」2022年12月号『おとな犬のリアルなトイレ問題解決法』
イラスト/亀山鶴子
文/いぬのきもち編集室
※掲載している内容は、「いぬのきもち作り隊」の読者へのアンケート(計116人、2022年7月実施)を集計した結果です。