愛犬をいろいろな人に慣れさせると、人社会でストレスなく暮らせるようになります。そのためにも、小さいうちからの社会化しつけが大切です。どのような訓練をすれば犬が人に慣れていけるのか、しつけの方法をナカムラ・ドッグ・スクールの中村太先生に教えていただきました。
犬に人慣れのしつけが必要な理由
家族以外の人やほかの犬、さまざまな音や物など、愛犬を取り巻く刺激に慣れさせるのが「社会化しつけ」です。
とくに人に慣れさせる社会化しつけは、愛犬が人社会で暮らしていくために必要なもの。社会化ができていないと、あらゆる場面で愛犬がストレスを感じてしまうことになりかねません。
社会化しつけは、できれば犬の順応性が高い子犬のうちにすませておくのがベストなので、飼い始めたらすぐに取り組みましょう。
人慣れすることで、みんなにとってメリットが!
- 来客や、散歩で会う人に警戒心やストレスを感じにくくなる
- 飼い主さんも周囲に気をつかいすぎなくていい
- 一緒にお出かけできる範囲が広がる
- 動物病院に慣れやすい
- みんなにかわいがられる犬になる
家に人を招き、ほかの人も怖くないことを教える
愛犬を迎えたら友人などに協力してもらい、まずは「ほかの人は何もしない、怖くない」と思わせることから始めましょう。
人を自宅に招き、最初は無関心を装ってもらいます。犬は人から注目されていると感じると、警戒することが。そのため、愛犬に声をかけたり、触ったりしないようにしてもらいましょう。
ニオイをかぎに来ても無視を続け、何回か来たらフードを与える
愛犬がニオイをかぎに来ても、しばらくは無視してもらいます。何回かニオイをかぎに来るようになったら無言でフードを与えてもらい、愛犬が食べてくれれば成功です。
※ しつけのごほうびは、1日に与えているフード量のなかから、あらかじめ取り分けて与えましょう。
何度もフードを食べに来たり、人を気にしなくなったりしたら来客のほうから近づく
愛犬の名前をやさしく呼び、来客のほうから愛犬に近づいてフードを与えてもらいます。そうすることで「ほかの人=いい人」と印象づけていけるでしょう。
週に1回以上、いろんな人を呼ぶと◎
できるだけ頻繁に人を招いて、来客に慣れさせる機会を設けましょう。男性や女性、親子連れ、高齢者など、さまざまなタイプの人を呼ぶといい訓練になります。
積極的に愛犬を連れ出して、外で会う人に慣れさせる
自宅内のしつけと並行して行いたいのは、外で出会う人に慣れさせる訓練。散歩ルートや時間帯を変えることで、いろいろなタイプの人とすれ違う練習になります。
出会った知人や友人にフードを与えてもらうと、より人好きに!
外出先でも出会った友人や知人にフードを与えてもらうと、愛犬がより人好きに。愛犬が相手に飛びつかないよう、オスワリさせてから与えてもらうようにしましょう。
すれ違う人に吠える・警戒する犬は気にしない練習を!
ほかの人がいるときだけ訓練してもうまくいかないので、人がいない状況でも練習を始めましょう。道の端によけながら名前を呼び、飼い主さんを見たらほめながらフードを与えて、また歩き出します。この練習をすることで、愛犬が「呼ばれて見たらイイコトがある」と思うように。
慣れてきたら、歩きながらフードを与えてもいいでしょう。
人とすれ違うときも同じことをする
人とすれ違う前に名前を呼び、注目させながら道端によけ、フードを与えながらすれ違います。こうすることで、人を「警戒しなくていい存在」と思うように。愛犬がこちらを見ている間は、何度もほめたり、フードを与えたりしてOKです。
愛犬が家や外で出会う人にストレスを感じなければ、穏やかに過ごせるもの。人慣れした犬は、周囲の人たちからもかわいがってもらえるでしょう。
お話を伺った先生/中村太先生(ナカムラ・ドッグ・スクール、いぬのようちえん主宰)
参考/「いぬのきもち」2019年3月号『子犬に必要なしつけとお手入れを紹介! さいしょの一歩 社会化しつけ 対人編』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。