世の中でいわれている犬の習性について、嘘か本当か分かりにくいものもさまざまあります。今回はそのなかから犬のしぐさに注目。獣医師の増田宏司先生に、犬のしぐさについてお話を伺いました。
犬が涙をなめるのはどうして?
一見、涙に共感してなぐさめてくれているようにも感じますが、実はそういうわけではありません。しかし、泣いている=いつもと違う飼い主さんの雰囲気に同調して、しおらしくしていることはあるようです。ペロッとなめたら飼い主さんが笑ってくれた、などの経験から気をひくために涙をなめることも。ほかにも、その場を穏やかな雰囲気に戻そうとしてペロペロなめることもあります。
また、“飼い主さんから出る分泌物が気になる”という好奇心から涙をなめてみたら、“しょっぱい”味がしたために、気になってなめ続けている、というケースもあるようです。
犬がおなかを見せるのはどうして?
犬がゴロンとおなかを見せるしぐさの理由はさまざまです。
自らの弱点を相手に見せることで「敵意はありません」という服従の意思表示のほか、なでてほしいときや甘えたいときに飼い主さんにおなかを見せることも。しっぽをダラーンと伸ばしてあおむけになるのは、リラックスした無防備な姿勢のことが多いようです。
また、イタズラのあとにおなかを見せることも。「てへっ」という感じでおなかを見せる犬は、飼い主さんに怒られそうな気配を察して、「落ち着いて」というメッセージを伝える意味合いがあるのだとか。
犬は見ただけで相手が犬好きかわかるの?
犬は長い年月を人とともに過ごすなかで、人の雰囲気や表情、動きなどから「この人は安心できる」「なんだか怖い」など、友好的かどうか察するようになったといわれています。そのため犬嫌いな人は、苦手意識から犬が不審に思うような動きをすることが多いので、警戒されて吠えられてしまうケースがよくあるようです。
犬の習性や行動を理解し、何が愛犬にとって本当に望ましいことなのか考えるのは、愛犬と素敵な関係を築き、楽しい時間をすごすためにも必要なことです。今回ご紹介した内容も参考に、犬への理解を深めていってくださいね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部バイオセラピー学科(伴侶動物学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2018年3月号『犬は夜行性?遠吠えで仲間を呼ぶ? 気になる習性の真偽に迫ります! 犬の習性 コレってホント? それともウソ?』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。