部屋でくつろいでいると、愛犬がやってきて体をぴったりくっつけてくることはありませんか?一体どんな気持ちでこうした行動をとるのでしょうか。今回は、犬が飼い主さんに体をくっつけるときの気持ちについて、獣医師の増田宏司先生に教えていただきました。
飼い主さんの体にあごを乗せるとき
犬が自分の体を飼い主さんにくっつけるのは、安心できるから。あごを乗せるときは、そこに「甘えたいな~」という気持ちが入っていることもあります。
“目線”に注目!
あごを乗せながらチラチラとこちらを見ているようなら、それは「かまって」のサイン。安心したいだけでなく、甘えたいという気持ちがあるのでしょう。
鼻でちょんちょん触るとき
直接触れることで、やや強めにアピールして飼い主さんの関心をひこうとしています。つついたらかまってもらえたという過去の経験を覚えていて、頻繁に行うようになることもあるようです。
前足で触るとき
前足で触るのは、鼻でつつくときに比べてさらに強めのアピール。絶対に飼い主さんの気をひきたいという気持ち以外にも、何か要求があり、おねだりをしているという可能性もあります。
人と人の間に割り込むとき
「一緒にその空間を楽しみたいな」という気持ちで割り込むときは、入り方も控えめ。飼い主さんの近くで、ペタッとフセをしたりします。一方、体を押しつけるようにグイッと割り込んできたときは、「そこどいて」と自分の居場所を主張しているとき。このほか、嫉妬心から割り込むというケースもありますよ。
また、犬はその場の空気を読む能力が優れており、いつもと違うことを嫌います。家族同士のケンカなどで不穏な空気を感じとると、それを止めようとして間に割り込んでくることもあります。
“お尻の向き”に注目!
お尻をくっつけるしぐさは、飼い主さんを信頼している証。飼い主さんにお尻を向けてくっついてきたときは、愛犬がリラックスしていると思っていいでしょう。
飼い主さんにぴったりと体をくっつけるしぐさは、犬にとって愛情表現のひとつ。愛犬の気持ちをしっかりと受け止めて、上手にコミュニケーションをとってあげてくださいね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2021年11月号『もっとずっと仲よく暮らしたいから 愛犬と以心伝心 PART1 4つのステップで身につく愛犬に伝わる“コミュ力”』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。