「しつけ」は愛犬をさまざまな危険やトラブルから遠ざけ、命を守るために絶対に必要なものであり、そのことを知っていれば「面倒」「かわいそう」とは思わないはず。今回は、病気の予防につながるしつけを、獣医師でペットドッグトレーナーの藤本聖香先生に教えていただきました。
【引っ張らせないしつけ】
●気管虚脱など、呼吸器トラブルから守る!
愛犬がリードをぐいぐいと引っ張らずに歩けるようになるしつけ。気管虚脱などの呼吸器のトラブルを防いだり、頚椎など首への負担を減らしたりすることができ、病気から守れます。
愛犬がリードを引っ張ったらその場でピタッと止まる
愛犬がリードを引っ張ったらその場で止まって待ち、飼い主さんのほうに近づいてリードがゆるんだら進むことを繰り返します。愛犬に「引っ張ったら前に進めない」と教えることができ、しだいに引っ張らなくなります。
【飛びつき禁止しつけ】
●骨や関節の持病の悪化や、足腰のケガから守る!
人に飛びつく動きは、足腰に負担がかかり、骨や関節の持病が悪化する原因に。また、小型犬など骨が細い犬では、繰り返し飛びつくことがケガの原因に。飛びつかないようにしつけておくことが大切です。
飛びつかれたら後ろに下がり、愛犬の足がつくまでかまわない
飛びつかれたら後ろに下がり、愛犬の足を体からはずすことを繰り返します。愛犬がすべての足を地面につける時間が長くなるので、そのタイミングですかさずほめて。続けると、徐々に飛びつかなくなります。
【おねだり吠え軽減しつけ】
●のどのトラブルや熱中症などから守る!
おねだり吠えしやすい犬は、のどを痛めたり、吠えて体温が上がったりすることで熱中症にかかりやすい傾向に。愛犬の体のためにも吠えをコントロールできるようになりましょう。
見ない・触らない・声をかけないの “3ない”で徹底的に無視!
おねだり吠えを減らすには愛犬を無視することが近道。見ず、触らず、声もかけないで。初めは一時的に激しく吠えますが、それは上手に無視できている証しなので、根気強く続けると、吠える頻度が減っていきます。
いかがでしたか? しつけは愛犬を病気にさせないためにも役立つんですね。愛犬に引っ張りグセ、飛びつきグセ、おねだり吠えがあるなら、ぜひ、根気よくトライして克服しましょう。
お話を伺った先生/英国APDT認定ペットドッグトレーナー・獣医師 藤本聖香先生
参考/「いぬのきもち」2023年2月号『事故から!病気から!ストレスから!守るしつけ』
写真/中川文作
イラスト/SORRY.
文/いぬのきもち編集室