チャイムに吠える、手を噛む、服を嫌がる……そんな困りごと、じつは飼い主さんのNG行動が原因かもしれません。そこで今回は、「ついやりがちな飼い主さんのNG行動と困りごとの対処法」について、ドッグトレーナーで獣医師の藤本聖香先生にお話を伺いました。
チャイムに吠える犬にやりがちな飼い主さんのNG行動
チャイムが鳴ったとき、あわてたり騒いだりしながら来客の対応をしていませんか?飼い主さんがバタバタと対応していると、それを見た愛犬は警戒心がさらにアップ。より強く「テリトリーに来た侵入者を追い出さなくちゃ!」と感じ、ますます吠えるという悪循環に陥ってしまいます。
チャイムに吠える犬への上手な接し方
チャイムが鳴ったら、落ち着いて愛犬をクレートへ入れましょう。もしくは、玄関やインターホンから離れた方向の床にフードをばらまき、愛犬がそれを食べている間に来客の対応をするとよいでしょう。
手を噛む犬にやりがちな飼い主さんのNG行動
日ごろから愛犬に手を噛ませて遊んだり、騒いだりしていませんか?犬が人の手を噛む場合は、犬目線では「手=おもちゃ」ととらえている可能性があります。ふだんからわざと犬の前で手をヒラヒラさせるなどして噛ませていると、手はおもちゃで噛んでいいもの、と学習してしまいます。
手を噛む犬への上手な接し方
愛犬と遊ぶときは手ではなくおもちゃを使い、「噛んでいいのはおもちゃだけ」ということを経験を通して覚えさせましょう。引っ張りっこ遊びをするときは、長めのおもちゃを使うと手を噛まれにくくなるのでおすすめです。
服を着るのを嫌がる犬にやりがちな飼い主さんのNG行動
愛犬に服を着せるとき、強引に頭からかぶせていませんか?犬が服を嫌がる理由のひとつに、“輪”に頭を通すのが嫌という犬元来の感情があります。犬目線では首元を広げられた服は“奇妙な輪”であり、さながら「口を開けた化け物」のよう。そのため、服を着るのを嫌がるのです。
服を着るのを嫌がる犬への上手な接し方
愛犬に服を着せる際は、服の輪の中に自ら頭を入れられるよう練習することが大切です。服の首元に向けて生地をたぐって輪状にしたら、おやつを見せて自らそこへ頭を突っこむよう誘導しましょう。少しでも頭を入れたらほめておやつを与え、徐々に頭を通すことに慣れさせます。
愛犬の困りごとには、飼い主さんのやり方が原因になっているケースもあります。犬目線で考えてみると「なぜうまくいかないのか?」がわかってきますので、参考にしてみてくださいね。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師)
参考/「いぬのきもち」2023年3月号『うまくいかないのは、飼い主さんのやり方が原因だった!?犬目線でわかった!うちのコがお世話を嫌がるワケ』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※犬の目線や感情をわかりやすく伝えるため、一部擬人化して表現しています。