犬がほかの人や犬を嫌がる背景には、犬なりの理由があります。犬目線で考えてみると「なぜうまくいかないのか」が見えてくるはず。そこで今回は、ほかの人や犬を嫌がる原因と上手な接し方について、ドッグトレーナーで獣医師の藤本聖香先生にお話を伺いました。
人になでられるのを嫌がる犬の気持ち
とくに小型犬の場合、他人に頭をなでられるシーンでおびえることが少なくありません。これは、人の手が頭上から覆いかぶさってくるように見えて「怖い!」と感じてしまうため。犬目線では、手が自分を襲う何かに見えているのです。
他人になでてもらうときはこうしよう
愛犬をなでてもらうとき、まずは相手の人におやつを渡し、おやつを握った手を愛犬に差し出してもらいます。愛犬が自らニオイをかいだらおやつを与えてもらい、頭ではなく背中をなでてもらうようにしましょう。
人に抱っこされるのを嫌がる犬の気持ち
ほかの人に愛犬を抱っこしてもらうとき、抱っこのまま愛犬を渡そうとすると、犬は自分の姿勢が崩れるため「ぐらぐらして嫌だ、怖い」と感じます。さらに、犬目線では地面からかなり高い位置にいるため「落ちそうで怖い」と感じることもあります。
他人に抱っこしてもらうときはこうしよう
他人に愛犬を抱っこしてもらうときは、いったん愛犬を地面に降ろしてから、相手の人に抱っこしてもらいましょう。その際、愛犬が嫌がって逃げるようであれば、無理に抱っこしてもらうのは控えましょう。
ほかの犬を嫌がる犬の気持ち
ほかの犬が苦手な場合、無理にほかの犬に会わせるのは、犬目線では無理やりホラー映画を最前列で見せられているようなものです。目の前にほかの犬が現れたのに逃げられない状況は、恐怖でしかありません。
ほかの犬を嫌がるときはこうしよう
愛犬が犬が苦手なら、無理にあいさつせず相手から離れてすれ違ったり、回り道をしたりして、ほかの犬との接触を回避するようにしましょう。
犬がほかの人や犬を嫌がるとき、犬の目線で考えてみると、その理由が見えてきます。愛犬の気持ちを理解して、円滑なコミュニケーションに役立ててくださいね。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師)
参考/「いぬのきもち」2023年3月号『うまくいかないのは、飼い主さんのやり方が原因だった!?犬目線でわかった!うちのコがお世話を嫌がるワケ』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※犬の目線や感情をわかりやすく伝えるため、一部擬人化して表現しています。