犬と暮らす
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5才を過ぎてから、立て続けに大きな病気に見舞われた愛犬ハッピーちゃん、お世話と工夫について聞いた
今回ご紹介するのは、数々の病気を乗り越え、全盲になった現在も家族との旅行を楽しむゴールデン・レトリーバーのハッピーちゃんのお話です。
ハッピーが病気になれば、家族が一丸となって闘います
「それが、ハッピーが5才を過ぎたころから、今度は立て続けに大きな病気に苦しめられることになったんです……」
まず、左前足の皮下に肥満細胞腫ができ、すぐにかかりつけの動物病院で切除手術を受けることに。ハッピーちゃんは初めて1週間の入院をすることになりましたが、繊細な性格からか、動物病院の中ではゴハンも食べず、排泄もできなかったとか。
「それを主治医の先生から聞いたので、すぐに夫婦で交代に動物病院に通い、毎日手からゴハンをあげ、抱いて外に出して排泄をさせるようにしました」
「前の手術の傷もまだ残っているなか、ある日突然ハッピーが苦しそうな息づかいになって、立ち上がれなくなったんです。あわててかかりつけ医のもとに行き、精密検査をしたところ、CRPという炎症を示す数値が基準値を大幅に超えていて、多発性関節炎との診断でした。その後、よりくわしく症状を特定するために高度医療センターでも検査を受けました」
Sさんは、入院をすすめられたそうですが、ハッピーちゃんの精神面の負担を考えて、自宅で看病することを決意。毎日ステロイド剤などの投薬をし、体の痛みで動けないハッピーちゃんを介助用ハーネスで支えて排泄させるなど、家族全員が協力して行いました。その後、半年くらいの治療で多発性関節炎は完治。ハッピーちゃんは元気に走り回れるまでになりました。
「難病といわれる病気でしたが、完治できたときは家族みんなで大喜びでした! 何よりもいちばんつらい思いをしたのはハッピーですから、本当によくがんばったと思います」とSさんは笑顔で語ります。
全盲のハッピーちゃんの毎日のお世話と工夫
リビングの家具の位置は動かさず、動線に沿って歩けるようにする
散歩時、リードとバッグにはクマよけの鈴をつけて、ハッピーちゃんに常に自分の位置を知らせてあげる
ゴハンは腎臓ケア用のドライフードに、高たんぱくなトッピングを加えたもの
皮膚にアレルギー症状が出るので毎日、体の部位ごとに薬用シャンプーをする
緑内障が進行しないために、毎日4種類の目薬を点眼し、ホットアイマスクでケア
取材協力/ミズノ動物クリニック
写真/田尻光久
取材・文/袴 もな
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