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そのニオイ、じつは内臓の病気かも!? 口のニオイでわかる犬の病気

愛犬から今までかいだことがないニオイを感じたら、それは病気のサインかもしれません。健康な犬でも、まったくニオイがしない犬はほとんどいませんが、そのニオイが変わったり、急に強くなったりしたときは要注意。ここでは“口のニオイ”が知らせてくれる病気について、獣医師の野矢雅彦先生に教えていただきました。
※記事内ではリアルな症例写真を掲載しています。閲覧にはご注意ください。

口だけでなく、 内臓の病気が原因の場合も

食べカスが原因で、もともと口の中に存在している常在菌が繁殖し、口臭の原因に。フードを替えたり、いつもと違う食べ物を与えたりしたときは健康な犬でも一時的に口臭が変わることがあります。注意したいのは、口臭は口内だけでなく、内臓や全身に関係する病気が原因の場合もあるということ。歯みがき時にふだんと変わらないか、ニオイのチェックも忘れずに。
引用元:MirasWonderland/gettyimages
引用元:MirasWonderland/gettyimages

血と膿が混ざったような強烈な腐敗臭

●独特の強烈なニオイを放つ悪性黒色腫の疑い

メラノーマとも呼ばれ、皮膚に比べて口の中にできると悪性度が高い腫瘍です。口の中にできる腫瘍はほかにもありますが、別格の不快なニオイがあるのが特徴。歯周病を併発している場合が多く、血混じりのドロッとしたヨダレが出ることもあります。ニオイに限らず口腔内の異変に気づいたら、早めの受診を。

口の中にできた悪性黒色腫。腫瘍は黒くないケースもあります(写真提供/ノヤ動物病院)
口の中にできた悪性黒色腫。腫瘍は黒くないケースもあります(写真提供/ノヤ動物病院)

ヘドロのようなニオイ

●歯周病が悪化するほど不快なニオイに

歯垢や歯石を放っておくと、菌が繁殖して歯周病の原因に。悪化すると、ニオイだけでなく痛みを伴い、抜歯しなくてはならなくなることもあります。「ドブのようなニオイ」「ヘドロをかき回したような口臭」は歯周病が相当進行しているサインです。
抜歯せざるをえない状態まで進行した重度の歯周病の症例(写真提供/ノヤ動物病院)
抜歯せざるをえない状態まで進行した重度の歯周病の症例(写真提供/ノヤ動物病院)

甘ったるいニオイ

●毒素の処理に不具合が起きる門脈循環シャントの疑い

消化管と肝臓をつなぐ門脈という血管に異常な血管(シャント)ができ、肝臓での栄養の吸収や解毒が正常に行われなくなる病気です。先天性と肝疾患などが原因の後天性とがあり、口から甘いニオイがするほか、低血糖発作やむくみなどがあらわれることも。

口臭がオシッコ臭い

●腎機能の低下や膀胱破裂などで、毒素が体内に蓄積する尿毒症の疑い

腎臓や尿管、膀胱、尿道などが機能不全や外傷など、なんらかの原因で本来オシッコとともに排出されるべき老廃物や毒素が体じゅうに回る重篤な病気。口からアンモニア臭がするのが特徴で、食欲不振や元気消失のほか、毒素が脳に回ると意識障害を起こす場合もあります。
いかがでしたか? 愛犬にいちばん近い飼い主さんだからこそ、ちょっとしたニオイの変化にも、いち早く気づいてあげたいですね。
お話を伺った先生/ノヤ動物病院院長・獣医師 野矢雅彦先生
参考/「いぬのきもち」2021年5月号『「あれ? このニオイ何?」で気づく病気』
文/佐藤英美
※ニオイは人により感じ方が違うため、飼い主さんによっては紹介したニオイの表現と異なる感じ方をする場合があります。
※犬には個体差があり、紹介したニオイの表現と異なるニオイがする場合があります。
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