今回は、犬の「気持ち」に注目。人と犬の気持ちの違いについて獣医師の増田宏司先生に教えていただきました。
犬は人ほど過去を引きずらない
人は物事をストーリー、「線」として考えますが、犬はそのときそのときを「点」で考えています。そのため、人は過去の経験をつなげて未来を予想しますが、犬はそうすることが苦手です。犬は今この瞬間を生きている動物なので、人のように過去を引きずって憂鬱になったり、先のことで不安になったりすることがほとんどありません。
犬も人と同じように愛情深い
犬はほかの動物と比べると、相手に対して愛情が深く、平和主義な生き物です。わかりやすい例として、犬と猫を比較したとき、猫は単独で森の中を活動していたのに対して、犬は仲間と協力して狩りをしていたという歴史の違いがあります。また、犬の場合、昔から人と仲良く暮らしていた個体を優先して残してきたことも関係していると考えられるでしょう。
犬は気持ちを隠さない
人は自分の抱いた感情を表に出さず、心の中に秘めておくことも多いでしょう。しかし、犬は「気持ちを伝えたい……でも……」といった複雑な感情よりも、そのときの感情を全身で一生懸命伝える動物だといえます。
しっぽを大きく振ってみたり、うなってみたりといろいろな方法で喜怒哀楽を表現しているのです。
犬の気持ちや物事の捉え方がわかると、日々の生活がさらに楽しくなりそうですね!改めて、愛犬が今どんな気持ちなのか考えながら過ごしてみてくださいね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2020年6月号『360度いぬのこと大調査!第2章 こんなに違うからこんなにカワイイ♡ 犬と人とことん比べてみました!』
文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。