吠えに無視は効果的なの？　犬の吠えグセの疑問にプロが答えます！

我流では思うように解決できない犬の吠え問題。とくに成犬は、頑固なクセになってしまっているケースも。そこで、プロのトレーナーが成犬の吠えグセ直しを指南。今回は、吠えグセ直しのお悩みや疑問に、中村太先生がずばり答えます。

Q.吠えグセは何才まで直せるの？

A.何才になっても取り組めますが、早ければ早いほうがいいでしょう。

しつけ直しに年齢制限はないので、愛犬が何才になっても取り組めます。ただ吠えグセは、年をとればとるほど直りにくくなるのも事実で、飼い主さんが覚悟して臨まないと直りません。ちなみに、物音などへの警戒吠えは、年をとって耳が遠くなると、自然に解決することもあります。

Q.何日くらいしつけたら直る？

A.１〜２週間で直るのは少数派。半年以上、年単位を覚悟して気長に取り組んで

残念ながら、吠えグセは簡単には直りません。とくに１才を過ぎた犬は、直るまでに数カ月以上、なかには１年以上かかるケースもあります。ただし、オスワリやマッテ、ハウスなどのしつけができる犬であれば、指示をうまく出すことで意外とスムーズに改善できる場合もあります。

Q.吠え始めると一切人の指示を聞きません。どうしたらいいの？

A.吠える前に指示を！テンションをコントロールできるよう体力の発散も大切

吠えているときはテンションがピークに達しているので指示が通りにくいもの。そうなる前にオスワリやマッテなどの指示を出し、吠えを防ぐことが重要です。また日ごろ散歩や遊びが少ないと、パワーやストレスがたまり、テンションが上がりやすく下がりにくい状態に。つまり毎日のしつけの練習と散歩・遊びが、吠えグセ対策として必須なのです。

Q.無視が効くと聞き、試しましたが効果なし。余計に吠えています

A.無視が効くのは要求吠えのみ。愛犬があきらめて吠えなくなるまで貫かないと逆効果に

要求吠えを無視すると、犬は「吠えても無駄」と気づいて吠えなくなります。ただ無視を始めてすぐのうち、犬は「もっと吠えないと通じない？」と考えるため一時的に吠え方が激化。それでも無視を貫かないと効果が出ないため、無視という方法は簡単なようでとても難しいです。ちなみに警戒吠えを無視しても、なんの効果もありません。

Q.動画サイトで見たしつけを試しましたが直りません

A.愛犬と環境や条件が合っていなかったのでしょう

吠えグセ直しは、その犬の性格や吠える条件に合った方法でないと効果が得られません。また先述のように簡単に直せるものでもありません。動画サイトの方法は、あなたの愛犬に合わない方法だったのかもしれません。そもそも正しく試していなかったり、試す期間が短すぎたりした可能性もあります。

Q.電気が流れる首輪や石入りの缶を投げる方法があると聞いたのですが

A.電気首輪は虐待です。缶を投げる方法も非現実的

吠えたら電気が流れる首輪は、たたく、蹴ると同様の虐待です。また空き缶を投げて音を立てて吠えた犬を怖がらせる方法は、犬が吠えた直後に毎回必ず、誰が投げたのかわからないように缶を投げて大きな音を立てないと効果が出ず、遂行するのは現実的に無理。よっていずれの方法もおすすめできません。